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ストレスに強くなり、胃が元気になる生活習慣

江田証(医学博士・江田クリニック院長)

2015年10月30日 公開 2022年06月07日 更新

《PHP文庫『なぜ、胃が健康な人は病気にならないのか?』より》

病気にならない体を作り、心を健康にする医学の知識と知恵

 

「胃がきれいな人」は病気になりにくい

 私はこれまで、胃・大腸併せて5万件以上、内視鏡を行って、毎日数多くの患者さんを診断・治療してきました。その中で日々実感すること、それは、「胃がきれいな人は病気になりにくい」ということです。

 これは、内科医として胃を観察しながら、高血圧や糖尿病、高脂血症に喘息など、広く毎日200人程度の患者さんを診療してきた臨床医だからこそ言えることです。

 街の書店にも、医師が書いている本がたくさん並んでいます。しかし、患者さんを診ないで、研究だけをして書いていたり、科学的に根拠のない「持論」を述べたりしている医師の本も数多くあります。

 しかし、本当に意味があるのは、日々生と死に向き合いながら、患者さんと悩みを共有して戦っている臨床医の実感だと、私は自負しています。

 胃とは、体の中心に位置する握りこぶし2個大の臓器です。この胃が持つパワーには驚かされるものがあり、また、胃を整えることで全身が健康になることを日々実感しています。

 実はこの胃の美しさには「格差」があります。胃の美しさには、人によって大きな違いがあるのです。同じ胃でも、胃の状態は個人差が非常に大きく、同じ年齢の人でも「胃のきれいさ」は、実際の年齢とは必ずしも相関しません。

 たとえば、100歳の人の胃でも美しいピンク色をして、ツヤツヤしている人もいれば、30歳の人でも非常に老化し、色あせてデコボコのニキビ肌のように荒れた肌をしている人がいるのです。

 ひと昔前、ボディービルが流行し、ダンベルを上げてプロテインを飲み、ムキムキの筋肉の美しさを競っていた時代がありました。

 しかし、現在はそういった外面的な筋肉よりも、もっと内部の「インナーマッスル」を鍛えることに注目が集まっています。

 体の内部の筋肉を鍛えることで、体力が上がり、日常生活も疲れにくくなり、毎日を積極的に生きることができるようになるからです。

 「見せるため」や「他人にアピールするため」から、「体の内部に秘められた本当の力を解き放つ」筋力トレーニングに、人々の意識が変わってきているのです。

 内臓も同じです。口紅を塗ったり、お化粧をしておしゃれをするように、いい腕時計をして流行のスーツを着るのと同じように、もっと体の内面に目を向けてケアをしましょう。そうすることで内面からの本当の美しさが手に入ります。

 本当の美しさは、体の内側からにじみ出てくるものだと私は思っています。

 人間の体の持つ潜在的なパワーには、すばらしいものがあります。不健康な人、なんとなく体調がすぐれない人などは、これら本来人間が持っている大きな力を抑え込んでいるだけなのです。

 あなたは、自分の体の主人であり、マスターです。あなたの考え方や知識によって、あなたの体は変えることができます。

 体に起こることには必ず「原因」があり、「結果」があります。運命を変え、健康になるには、体のことをよく学ぶしかありません。

 あなたが胃についての正しい知識(武器)を自分のものとして、実際にそれにそって考え方を変え、生活習慣を変えれば、結果も変わり、体もみるみる健康に変わってきます。そうすれば、あなたの内在する体のパワーは解き放たれ、幸せやすばらしい成功の実が手に入るでしょう。

 ただし、自分の体は自分で守ってあげるという意識を持たないと、“大惨事”を招いてしまうことも心にとめておかねばなりません。

 自分の体ですから、本当は何よりも大切にしてあげなくてはなりません。しかし、仕事や家事、育児などに追われて自分の体はあと回しになり、ついつい放ったらかしてしまってはいませんか?

 本質的なことを言うと、自分を大切に愛して手間をかけてあげないと、本当の意味で他人を愛することはできません。それどころか、自分が病気になると、長い目で見ると周囲の人に心配をかけてしまいますからね。

 なかなかむずかしいことですが、今日からちょっとした知識を身につけて、がんばっている自分の体に報いてあげましょう。

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ストレスに強くなる生活習慣を心がけよう

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