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ブランドビジョンの実現を目指して~橋本雅博・住友生命保険社長

『衆知』編集部

2016年09月14日 公開 2024年12月16日 更新

変わらぬ価値を追求し、お客様とともに未来を描く

「世の中が変わろうとも、社長が代わろうとも、ブランド戦略の旗はおろさない」……住友生命が10年をかけてでも実現を目指すブランドビジョンについて、橋本社長はこう言い切る。その一方で、マーケットのニーズに対しては変化をいとわず、新しい商品開発にも果敢に挑戦している。会社と社員を力強く導き、お客様に貢献するビジョンとはどうあるべきか。実現化のための戦略とともにうかがった。

橋本雅博(はしもと・まさひろ)
住友生命保険相互会社取締役代表執行役社長
1956年兵庫県生まれ。79年東京大学経済学部卒業後、住友生命保険相互会社に入社。武蔵野支社長、調査広報部長、勤労部長などを歴任。2006年執行役員、07年常務取締役、12年代表取締役専務執行役員を経て、14年4月に社長就任。

取材・構成:坂田博史
写真撮影:永井 浩

 

「理想の会社」実現のためのブランドビジョン

今から109年前、「理想の会社を創ろう」とスタートしたのが住友生命です。100年以上にわたって、常に「理想の会社」を追い求めてきた歴史があるのですが、私たちも5年前の2011年に、現代における「理想の会社」とはどういった会社なのかを突き詰めて考え、「あなたの未来を強くする」というメッセージのもとでブランド戦略に取り組んでいます。

お客様からみて「一番薦めたい保険会社」を目指すために、「ブランドビジョン」を策定し、実現すべき4つの「先進の価値」を掲げました。

特に目新しいことを述べているわけではありませんが、このブランドビジョンを10年かけてでも実現することを目指しています。ですから、それまで「ブランド戦略の旗はおろさない」と宣言しました。世の中が変わろうとも、社長が代わろうとも、です。

経営方針というと、社会の変化や、トップの交代などによって比較的頻繁に新しいものが打ち出されるイメージがあります。しかし、「変えない」「変えてはいけない」経営方針というものもあるのです。

実際、ブランドビジョンを作成した時、私は担当役員でしたが、社長になった今も何一つ変えていません。組織に浸透させ、根づかせて実現するには、10年くらいの長い年月がかかるのではないでしょうか。

当社の4万人を超える従業員全員にブランドビジョンを浸透させるのは、並大抵のことではありません。私が全員に直接語りかけられればいいのですが、残念ながら、そうした機会は限られています。

社内のイントラネットにメッセージを載せるなど、手段を工夫するとともに、同じ内容でも、手を変え、品を変えて、伝え方にも工夫を凝らしてきました。聞く人に「また同じ話だ」と思われ、あきられてしまっては逆効果ですから、その点には注意を払っています。5年が経過しましたが、ブランドビジョンは社内にかなり浸透してきたのではないかと感じています。

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「生活保険」の開発という新しい挑戦

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