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古神道数秘術家が教える! 50代からを楽しく生きる人と後悔する人の分かれ道

中井耀香

2016年10月26日 公開 2024年12月16日 更新

 

家族とは「縁を切らない程度」に距離を取る!

介護は30点が合格ライン

私の周りでも、介護を経験する人たちが増えてきています。

介護はどんなに頑張っても達成感を得られるものではありません。特に、認知症になってしまった場合、その人が本当は何を求めていて、何に満足するのか答えを聞くことが難しくなるので、煮え切らない思いが募ります。

周りから見れば十分にやっているように見えても、「やれていない」という思いは拭いきれないものなのです。なぜなら、100点満点の完璧な介護などないから。70点できたら満点と思っていいくらいです。 

しかし、70点を取ろうと思ったら、自分の人生を捨てなければなりません。やりたいことも家族のことも全部脇に置いて、すべての力を費やしてボロボロになってやっと70点です。たとえ50点を取ろうと思っても、自分の家はホコリだらけになるし、家族にかまっている暇などありません。

私は、介護で疲れ果てている人には「30点でいいんだよ」と伝えています。お金を出すことしかできないならそれだけでもいいし、「早くこの状態から抜け出して、ラクになりたい」と思ったり、「もう嫌だ」という後ろ向きな感情を抱いてもいいのです。これまでの生活を維持して自分の暮らしに軸足を置き、空いた時間でやれることをやるだけで十分合格です。

 

いつまでも罪悪感を抱え込まない

介護を経て、親が亡くなったり、ペットが亡くなったりして区切りがつくと、ふと大きな罪悪感や後悔の波に襲われるときがあります。気持ちが上がってくるのに早くても半年はかかるし、「私も死にたい」と2,3年嘆き続ける人も少なくありません。

しかし、人にだって、犬にだって、猫にだって寿命はあります。それぞれの寿命は違うので、人を亡くした悲しみが深くても、生きている限り生きなければなりません。それに死ぬということは次に転生する準備が整ったということで、亡くなった人にとって悪いことではありません。生きている人たちにできることは、「あとから私もそちらに行くので、迎えに来てください。今はここで頑張ります」という思いを胸に抱いて、死を淡々と受け入れるのみです。

自分の寿命も相手の寿命も変えることはできません。自分を大切にすることを忘れず、「今、私にできることは何だろう」と考え、介護に、そして自分の人生に向き合っていくことしか、人はできないのです。

 

成人した子どもの世話はしなくていい

40代後半から50代になると、子どもも成人していい大人になってきます。それなのにまだ子どもの心配ばかりしている親がいます。

ある女性は28歳の息子さんについて悩んでいました。中学生まで明るい子だったのに高校生になってから不登校になり中退。大検を受けて進学したけれど大学も中退。「息子は昔から私が『こうなったら嫌だな』と思っていることばかりするんです」と嘆いています。「あなたが望んだ通りになっているからいいんじゃない?」と私が言うと、彼女はきょとんとした顔をこちらに向けました。

母親と子どもは、たとえへその緒が切れていようと、子どもが成人していようと、太いパイプで繋がっています。母親の心配は、父親が心配するのとはけた違いの速さで、瞬時に子どもに飛んでいきます。悪いことを考えれば考えるほど、子どもに悪いことが降り注ぐようになっているんです。

 

子どもの世話より「自分の世話」を優先しよう

彼女のように、思い通りの人生を子どもが歩かないことを嘆く親はたくさんいます。たとえ大学受験に失敗しても、それはその子にとって必要な経験であり、大学での勉強が必要なかったということです。その代わり、大学では出会えなような人に出会えるチャンスや、勉強よりも別の秀でた能力を見つけるきっかけが待っているかもしれません。それなのに、目先の結果で一喜一憂して子どもの芽を潰すことなど言語道断。そもそも親が子どもの心配をするのは、親のエゴでしかありません。

このような話をすると、彼女は「今日家に帰ったら、息子にこれまでの不徳の数々を詫びます」と言っていました。人生は気づいた人、行動した人の勝ち。彼女が詫びることで、親子の関係はいい方向に必ず変わります。「今からでも全然遅くないから、すぐに詫びるといいよ」と励まして彼女を見送りました。

成人した子どもに対して親ができることはただ一つ、信頼することです。「うちの子は結婚できないんじゃないか」「20代後半なのに定職に就いていない」と悩んでいる親もたくさんいますが、子どもの心配をする時間があるなら、自分を磨くことに力を注いでください。20代だろうが50代だろうが関係ありません。人生はいつだって修正可能です。「あなたはあなたの人生を生きなさい。私は私の人生を生きるから」と自分の人生をいきいきと生きる姿を見せ、「うちの子は大丈夫」と信頼することが、子どものやる気を引き出す一番の近道です。

 

中井耀香(なかい ようか)
1964年生まれ。古神道数秘術家。20代の頃より多様な占いを学び、古神道の数秘術をもとに、日本人に合った開運方法を伝える。著書に『神様があなたのそばにやってくる すごい「お清め」』(KADOKAWA)などがある。

※本記事は、「PHPスペシャル」2016年12月増刊号 特集《50代から好転する「いい生き方」》より一部を抜粋したものです。

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