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『歴史街道』 2011年11月号書評から

『歴史街道』編集部

2011年10月20日 公開 2024年12月16日 更新

『武家に嫁いだ女性の手紙』
妻鹿淳子 著
吉川弘文館/2,310円(税込)

明らかになった小身旗本の日常生活!
 借金まみれの旗本に嫁いだ娘・万喜。美作国で医者の娘に生まれた万喜は、遠い江戸で地方勤務が多い夫に代わって孤軍奮闘、婚家を切り盛り。倹約生活から子供の受験・就活・出世まで、日々の苦労を綴った手紙から、小身旗本の生活がよく分かる。(後)
『風の浄土』
中津文彦 著
光文社 /1,995円(税込)

世界遺産都市・平泉に込められた願い
 奥州の都・平泉を造営した藤原清衡、その志を受け継ぐべく、鎌倉勢に立ち向かおうとする源 義経。平泉の興亡に関わった英雄二人の想いが交錯する歴史小説。世界遺産都市の核心に触れることができ、平泉観光前に読むことをおすすめしたい。(村)
『楠木正成』
童門冬二 著
致知出版 /1,575円(税込)

「悪党」が示した日本人の美しい心
 後醍醐天皇を支えた名将・楠木正成の生き様を描いた小説。倒幕に加わった武士たちの利害が錯綜する中、河内の「悪党」の出である正成は、己の「誠」を貫き、世のあり方を模索する。強く清々しい姿に、日本人の美しい心が描き出される。(佐)
『兵馬の旗1』
かわぐちかいじ 著
小学館 /550円(税込)

幕末動乱、男たちの信念が交錯する
『沈黙の艦隊』『ジパング』でおなじみの氏が幕末に挑む。留学先のロシアからあえて動乱の日本へ戻り戊辰戦争に身を投じる旗本・宇津木兵馬。その胸には「家族に誇れる国を作る」との一念があった。名もなき男たちの信念を描く歴史コミック。(水)

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