片づけられない人は、脳に余裕がない!?
そもそも、なぜ整理整頓ができないのだろうか。加藤氏はその原因を次のように指摘する。
「私は、脳を1枚の地図に見立てて、それぞれの部位を『脳番地』と呼び、働きが異なる脳を機能ごとに8種類に分けています。整理整頓が苦手な人は、このうち非言語理解を司つかさどる『理解系脳番地』の発達が弱い。つまり、空間や図形といった視覚情報を理解する力が乏しく、デスクが散らかっていても、散らかっているという状況を正しく認識できないのです」
整理整頓できない人には、さらに4つの特徴が見られるという。
「1つ目は、物事を俯瞰する力が弱いこと。状況を整理して把握することが苦手なので、『片づけろ』と言われても、どこから手をつければいいのかわからず、脳がフリーズしてしまうのです。
2つ目は、ワーキングメモリが少ないこと。情報を蓄積する『記憶系脳番地』が弱いので、元々あった場所をすぐに忘れてしまい、『使ったらもとに戻す』という片づけの基本ができないのです。また、メモや資料を捨てると記憶も一緒に消えてしまうような気持ちになり、モノを捨てられない傾向もあります。
3つ目は、脳に余裕がないこと。整理整頓が苦手な人は、多忙かどうかにかかわらず、マルチタスクが苦手です。一点に集中しすぎるあまり、脳に余裕がなくなり、整理整頓にまで意識が向かなくなるのです。この原因も、記憶系脳番地が弱いためについ時間を忘れて作業や考え事に没頭してしまうことにあります。一方で、こうしたタイプはアイデアが豊富という側面もあります。
そして4つ目は、脳が覚醒していないこと。オンとオフの切り替えが苦手な人は、帰宅後も仕事のことを引きずりがち。仕事のことを考えながらダラダラと夜更かししてしまい、朝になっても脳が覚醒しない。そのような状態では、整理整頓する気が起きないのです」