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フィンテックだけはない。X-Tech(クロステック)がコンテンツの世界に与える影響とは

山口哲一(エンターテック・エバンジェリスト/音楽プロデューサー)

2018年05月28日 公開 2022年08月22日 更新

もはや一方的な「プロモーション」ではコンテンツは売れない

テクノロジーが今後のコンテンツの世界に影響を与えるポイントは何か。私は3つのキーワードがあると考えます。

ひとつ目は「コミュニケーション」。

従来の言い方をすれば「プロモーション」。しかしながら、もはやプロモーションという言葉は現代には不似合いになってきています。
すでに一方的な宣伝、告知を繰り返してもコンテンツは売れないということは肌で感じるところでしょう。

現在はUser Generated ContentsとUser Generated Mediaの時代、つまりユーザによってコンテンツが生成、メディアが形成されるのです。YouTubeで楽曲をカバーする、ニコニコ動画でゲームを実況することが当たり前のようになっています。

さらには人気のゲーム実況者がバンドを組む、そしてそのライブのチケットは即完(即日完売)のような現象が起こっているわけです。

つまり、コンテンツがコミュニケーションの媒介を担っているといえます。

SpotifyやApple Music等の定額配信サービスにおける、キュレーターのプレイリストに楽曲が選ばれることによって再生回数を大きく伸ばすプレイリストプロモーションもあります。

このように、コミュニケーションのあり方が変わりました。
コンテンツを普及させるためには、さらなるコミュニケーションの変化が起こることを前提に考えなければいけません。

2つ目に「マネタイズ・システムの変化」も見逃せません。

買い切り型であるパッケージ販売から、クラウド上でのアクセス権を定額販売するサブスクリプションへと主流が変化しています。

この変化は、良質なコンテンツは息の長いマネタイズが可能となっている側面と、初期投資の回収に以前より時間がかかるようになっているという側面と両面を持っています。

これは音楽だけでなく、コンテンツ全般に言えることです。

ソーシャルゲームにおける「ガチャ」という発明があることはご存知でしょう。
射幸性をあおるということで社会問題にもなっていますが、無料で遊ばせてハマった人から多くのお金をいただくというマネタイズモデルも構築されています。

従来型のコンテンツの一物一価のモデルからは離れたモデルがゲーム以外の世界でもどんどん広がると考えたほうが良いでしょう。

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デジタル化は音楽の民主化を進めたが、トランジスタの功績にまだ及んでいない

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