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フィンテックだけはない。X-Tech(クロステック)がコンテンツの世界に与える影響とは

山口哲一(エンターテック・エバンジェリスト/音楽プロデューサー)

2018年05月28日 公開 2022年08月22日 更新

デジタル化は音楽の民主化を進めたが、トランジスタの功績にまだ及んでいない

そして、3つ目が、「クリエイション」。表現そのものも変化していくはずです。

過去を振り変えると、電化=トランジスタの登場なしにロックミュージックは登場しませんでした。
デジタル化による新しい楽器がもっと出て切るはずです。ボーカロイドは音楽の世界にとって新しいクリエイションだったと思いますが、まだ音楽への影響は限定的です。

DTM、ボーカロイドといったデジタル化は、音楽制作において「民主化」でした。
というのは、デジタル化以前と比較すれば、制作コストが圧倒的に安くすむからです。音楽にとって圧倒的安くすむため、音楽制作の大衆化が進みました。

昔だったら、音楽制作にはテーブル6個分のスペースと3,000万円くらい必要でしたが、デジタル化の恩恵を受けた現在なら、1つのテーブルと200万円程度で可能です。

しかしながら、アコースティックギターがエレキギターへとに代表される、「音楽の電化」に比べれば、新しい音楽を産む、「クリエイション」の変化はまだ少ないと個人的に感じています。

トランジスタが楽器と音楽を大きく変化させたのと同じくらいの衝撃を持って、今後新しい楽器、新しい表現が生まれてくるはずではないかと考えています。

テクノロジーが生み出す変化、その先に私たちは目を向けてコンテンツを作り、生態系の変化を見据えたビジネスをしていかなければならないのです

 

※本記事は2018年4月に開催されたイベント「ニューミドルマンデイVol.3 「音楽未来予測」 ~テクノロジー革命が音楽ビジネスに与えるもの~」の内容を一部抜粋、再構成したものです。

関連サイト:ニューミドルマンコミュニティMeet Up Vol.2ー「音楽クリエイターの2020年代サバイバル術」

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