心理学者が家賃の値下げに成功した話。ガイ・ウィンチの上手に不満を伝えるコツ
2018年06月01日 公開 2024年12月16日 更新
<<不満を伝えるのは難しいもので、下手に苦情を入れれば「クレーマー」と思われてしまうこともあり得ますし、かといって、知人や友人に愚痴をこぼしても「気晴らし」になるだけで、不満のもととなる問題は解決しません。
不満を上手に伝えることが、より住みよい社会に変え、自身の自己肯定感を高めることにつながる、というのはTED トークで世界的人気となったニューヨークのセラピスト・心理学者であるガイ・ウィンチ氏です。
相手を嫌な気分にさせず、こちらの言い分を受け入れてもらえる「不満の伝え方」を伝授してもらいます。>>
不満を解消できれば自己肯定感もアップする
世界規模の大きな問題から日常生活の些細な問題まで、私たち現代人は、日々、たくさんの不満を口にしています。
しかし、心理学者の立場からすると、ただ「気晴らし」のためだけに不満を口にすることは、限りある感情を途方もない規模でムダにする行為だといえます。鬱憤をはらすだけではなく、より住みやすい社会に変えるために「不満」を使うべきでしょう。
不満を上手に伝えることができれば、さまざまな面を大きく改善できます。
自分を取り巻く環境を根本から変えることや、公共サービスをよくすることができますし、製造元に商品に関する苦情を訴えて改良してもらえば、ほかの消費者もその恩恵にあずかれます。
また、パートナーとの関係が持ち直す、友情が深まるなど、より良い人間関係を築くためにも有効です。
さらに、不満を解消することは、自分自身にとっても大きな効果があります。自分に自信が生まれ、自分の意思を主張できた、自分で問題を解消できた、自分にはそれだけの力があるという実感が生まれることにより、自己肯定感が向上し、自分にできるという自己効力感が強くなって、鬱にも陥りにくくなるのです。