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「自己肯定感」を高めれば、心が折れる職場でもメンタルが安定する!

三浦将(「習慣力」エキスパート)

2018年08月28日 公開 2024年12月16日 更新

メンタルヘルスは、現代のビジネスシーンの中でも、大きな問題の1つです。

時代のキーワードとなっている「働き方改革」も、このメンタルヘルス対策という一面を持ちます。

また、人材育成コンサルタント・エグゼクティブコーチという仕事柄、メンタルヘルスに関するご相談を、企業のトップの方々や、人事担当の方々から頻繁に受けます。

その解決に向けた大きな2つの柱が、「コミュニケーション」と「自己肯定感」です。
 

なぜか成果が上がるチームのリーダーが大切にしているコミュニケーションとは

上司や部下、そして同僚とのコミュニケーションが良くなれば、メンタルを良い状態に保つことができます。

私の場合は、企業研修や講演で、アドラー心理学を基にしたコミュニケーションをお伝えしているのですが、リーダーのコミュニケーション研修(リーダーとして必要なコミュニケーションを習慣化する研修)は、最もニーズの高い研修の1つです。

これを習慣化できると、自分と相手、双方のメンタルの状態を良好なものとし、“恐怖による行動の場”ではなく、“安心安全の場”を築くコミュニケーションができるようになります。

すると、この力を持ったリーダーの元では、メンタルヘルスの問題が起こる可能性は、極めて低くなるのです。

また、“安心安全の場”を築くことができる力を持ったリーダーは、チームの人的資源のポテンシャルを上げ、それを効果的にパフォーマンスに変換することを促進するので、長期的な成長を実現することもできます。

このようなコミュニケーションができることは、現代のリーダーとして必須の力です。
 

酷いコミュニケーションが繰り返される職場は危険!

ビジネスシーンでメンタルが壊れていく原因の1つは、他人からの酷いコミュニケーションなどで、思考停止状態になったり、繰り返し自分にダメ出しをしてしまうことです。

また、過度のストレスやプレッシャーなども、メンタルを蝕んでいきます。

上司からの酷いコミュニケーションが起こっている場合、それはメンタルヘルス的に非常に危険なことが起こっています。

例えば、営業成績未達の状態の営業マンの人が、上司との月末の振り返りで、一方的に非を問われ、罵詈雑言を受けるようなケース。

上司の容赦ない言葉が、その営業マンの心を切り裂きます。

場合によっては、人格否定の言葉まで放たれることもあるでしょう。

このようなことが続けば、人のメンタルヘルスには問題が生じてきます。そして、これが過ぎると、人は鬱状態に陥ることさえあるのです。

ここで、厄介なのは、上司側が、それほどのダメージがあることとは理解しておらず、このようなコミュニケーションを繰り返してしまうこと。いわば、犯罪レベルの行動だと認識していない中で、その犯罪レベルの行動を繰り返してしまうケースです。

恐ろしいことに、このようなコミュニケーションは、未だ多くの会社や団体で散見され、それがメンタルヘルスの問題につながっています。
 

「自己肯定感」を持つことで、他人の攻撃から心を守る

もし、あなたの上司がこれに近いコミュニケーションを取る人であるなら、こちら側がまずその対策を打っておく必要があります。

その1つが、「自己肯定感」を高める習慣を身に付けることです。

自己肯定感をちゃんと持っていると、外からの刺激に心が揺れ動く度合いが低く、ダメージに繋がりにくくなります。また揺れ動いたとしても、そこからの回復が早いので、メンタルを正常な状態に戻しやすくなります。

自己肯定感のある人は、様々な状況においても、自分という存在を尊重し、自分にOKを出せます。そのため、心の軸がしっかりしていて、心が大きく揺れることが少ないので、メンタルを元の健全な状態に戻しやすいのです。

また、自己肯定感のある人は、自分の未来の能力、つまり自分の可能性への信頼があるので、たとえ今が良くない状態にあっても、未来への希望をしっかり持つことができますし、メンタルも安定します。

逆に、自己肯定感が低いと、自分の可能性への信頼が薄いので、今の状態を引きずり、未来の展望が、不安や心配ばかりになってしまいます。

そして、その心の隙間に、上司の容赦ない言葉が、突き刺さってしまうのです。

心の中が、不安や心配で埋め尽くされる状態が続くことで、人はメンタル不調を起こすようになり、前述のような上司のコミュニケーションに対しての防御力が弱体化してしまいます。

自己肯定感をしっかり持っている状態にあると、メンタルは安定し、いわゆるレジリエンス(しなやかな心の状態)も高いレベルになります。これは、不確実性の高い現代のビジネスシーンにおいては、非常に大切な力です。

特に、役職が上がると、それに応じて、ストレスやプレッシャーの度合いもより大きなものとなってくるので、会社での役職が上がれば上がるほど、より必要となってくる力でしょう。

このように、自己肯定感を高めることは、ビジネスの現場においても、非常に重要なことであることを再認識されたのではないかと思います。

自己肯定感を高めるためには
・自分へのダメ出しなど、自分を否定することをやめる
・「〜でなければならない」という思い込みをなくす
・人との比較を極力しない
など、様々な角度からの方法があります。

一時的な対応ではなく、これらを習慣化していくことで、自己肯定感はしっかりと高まっていくのです。

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