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ケニアの子が全員「習近平」を知っている? 現地で見た中国企業の攻勢と日本企業の奮闘

真田幸光(愛知淑徳大教授)

2018年10月11日 公開 2022年07月08日 更新

 

シェア1位はいすゞ自動車。ケニアにおける日本の自動車メーカーの奮闘

ここまで中国のアフリカでの進出について述べてきました。一方で、日本企業はどうなのでしょうか。ケニアにおける自動車産業における、日本企業の動向を紹介します。

結論から言えば、ケニアにおける自動車のシェアは圧倒的に日本車です。約10万台のマーケット(市場)が存在すると言われています。そのうち、いすゞ自動車がトップの30%です。次いで、トヨタ自動車が25%となっています。この二社だけで55%と半分以上のシェアを誇っています。

また、トヨタ自動車の販売店でスズキの製品を取り扱うなど協力関係も構築され、まさに日本の自動車メーカーはオールジャパン体制でケニア進出に取り組んでいる状況です。日本勢もすでに現地において奮闘しています。

トヨタ自動車は、単に現地で自動車を販売しているだけではありません。「トヨタケニアアカデミー」という学校を設立し、自動車整備の技術者の育成にも力を注いでいます。

人材を多く育成し、生活の安定化を図り、そして、自動車を購入していただく。自社でも働いてもらえればなお良し、というフローを構築すべく活動されています。

実際にケニア政府の方が仰っていたことですが、「このような取り組みは、他の国では見られない」と高く評価されておりました。素直に嬉しい気持ちになります。

いすゞ自動車がシェア1位である理由は、乗用車が一般の家庭にまだ普及していない状況があることです。商用車の利用がとても多い地域です。日本でいえばバンのような車であったり、また主要都市を結ぶためのトラックもたくさん走っていました。

商用車と言えばいすゞ自動車、ということで、このような結果になっているのかと思います。また、乗用車はセダン型のものもありますが、市内だけの移動のみならず地方へ遠出することも多い生活環境からランドクルーザー型の利用が多いのも特徴でした。

少し話はそれましたが、日本企業はじっくりと現地になじみながら活動していくという姿勢を感じました。

最後に、ケニアでビジネスを行う上で大切な点を補足させていただきます。

我々は法治社会の中でビジネスを行います。ですので、法と法治システムがとても重要になってきます。ケニアの場合、旧宗主国はイギリスです。したがって、英国法に基づいた英国法型の法治システムをベースにとっている国です。

そのような点では、日本人は信頼を置いてビジネスを行いやすい国なのではないかと思っています。弁護士等の専門家もおりますので、相談をしながら、粛々とビジネスを行っていけるのではないかと感じています。日本企業の権利が不当に侵害されるようなことはないと思います。

ケニアに限らずアフリカ諸国の動向については、引き続きこのオンラインサロンで情報を共有してまいりたいと思いますが、グローバル展開を視野にいれるならば、やはり注目の地域であることは間違いありません。

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