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「決断から逃げる」赤字企業のダメリーダーの共通点

長谷川和廣(会社力研究所代表)

2018年10月15日 公開 2024年12月16日 更新

<<50億円もの赤字を抱えていた企業の代表取締役に就任して1年目で営業利益を黒字化、3年目には無借金経営に導いた経験を持つ長谷川和廣氏。このほか、これまでに2000社を超える企業の再生事業に参画し、赤字会社の大半を立て直してきた会社再建のプロです。

そんな長谷川氏は、長年、仕事上やプライベートのなかで気づいたちょっとしたノウハウ、ひらめき、取引先で起こったトラブルとその解決策など「おやっ?」と思ったこと感じたことを、ノートに書き連ねてきたそう。その「おやっとノート」の内容は、今の時代だからこそ見直すべき学びがあると多くの支持を受けています。

今回は、長谷川氏が、リーダーが陥りやすい「判断」と「決断」における間違いについて指摘します。>>

※『利益を出すリーダーが必ずやっていること』(かんき出版)より一部を抜粋編集したものです。

 

ダメリーダーの意識を変えれば会社も立ち直ることができる

仕事に求められるスピードは年々増しているうえ、ITの普及、人工知能(AI)の登場などにより、ビジネスを取り巻く環境が激変しているいま、現場のリーダー、つまり中間管理職の質が、より問われる時代になりました。

バイタリティ、感性なども当然重要ですが、いまリーダーに求められるのはプロとしての仕事力です。

右肩上がりの時代は、プロのリーダーとしてのスキルがなくても管理職は務まりました。

しかし、グローバル化やITによって競争や変化が激しくなり、先行きがより不透明になるなかで、企業が生きるためには、組織をまとめ、確実に利益をあげるプロのリーダーの存在が不可欠になっています。

そのような人材がいない企業が、変化に対応できずに危うくなっているといっても過言ではありません。

大企業といえども、いつ倒産するかわからない。いつ合併やM&Aされるかわからないという時代に、現場のリーダーが生き抜いていくためには、プロフェッショナルとしてのスキルや心がまえを身につけることが絶対条件です。

私はこれまでの50年間、ジョンソンやバイエル、ニコン・エシロールなど、グローバル企業7社の経営幹部や代表取締役という立場で、またときにはコンサルタントという立場で、業績アップや企業再生の仕事を中心に携わってきました。

そして、本社ほか内外の子会社、関連会社、協力会社など約2000社の赤字会社の業績を回復させ、黒字化してきました。

その過程で、さまざまな施策を打ってきましたが、そのなかの1つに、現場のリーダーに対する意識改革があります。3カ月程度、現場のリーダーたちと徹底的に向き合い、プロの仕事人、プロのリーダーにするための教育を施したのです。

私が見てきた赤字会社の多くは、まさにダメリーダーの見本市でした。

それでも、教育を通じてわかったことは、ダメリーダーの意識を変えただけで、会社の業績は急速に確実に伸び、たとえ赤字でも黒字の企業に立ち直ることができるということでした。そして、そのリーダーたちも立派な経営幹部へと成長していきました。

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「ジャッジメント(判断)」と「デシジョン(決断)」の違いとは

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