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“信用されない人”が見落としている「意見と事実の違い」

犬塚壮志(士教育代表取締役)

2019年03月20日 公開 2023年01月30日 更新

「事実は正確に」「意見は客観的に」を意識して信用を高める

それでは、信用や信頼を高めるには、どんな話し方や伝え方をすべきなのでしょうか?

それは、一言で言うと「事実と意見を分けて書き、事実は正確に伝え、意見は客観性の度合いをできるだけ上げること」だと私は考えています。

その話し方や内容が面白いかどうかは別として、聴き手に自分の話を正しく理解してもらい、納得してもらうためには、事実は事実で、意見は意見で、分けて書くことが大切なのです。

個人の情報発信が当たり前になった時代にこそ最重要視すべきことは何かと聞かれたら、私は、迷わず「信用」と答えます。その発信内容に「信用」がなければ、いっときは良いかも知れませんが、長続きはしません。

話し手の信用は聴き手の安心感を生みます。TVで大活躍の池上彰さんも元NHK出身ということで、NHKのイメージによる情報の信頼度の高さや公平性なども池上さんが支持されている大きな理由でしょう。

これはネットの世界でも同じだと思います。そのコメントだけで購買決定をしてしまう著名人のカスタマーレビューやブログしかり、信用をお金に変えるクラウドファンディングしかりですね。
 

「事実」と「意見」の違いはどこで生まれるのか?

ところで、「事実」と「意見」の違いはわかるでしょうか?恥ずかしい話、私は大学生になって卒業論文を書くまでそのことはまったくわかっていませんでした。

学術論文など公になる文章では理系・文系に関わらず、正しい文章を書かなければなりません。そして、ここでいう「正しい文章」というのが、「事実と意見が明確になっていて、他者に事実が正確に伝わる文章」なのです。

「事実」とは実際にあった事柄として誰もが認めなければならないことで、データなど証拠の裏付けをすることができるものです。

つまり、実際に「そうであるか」「そうでないか」の二元論になります。一方、「意見」とは、ある問題についての、個人の考え(判断、推論、仮説・理論など)です。

そのため、「意見」には他者の様々な評価が出てきます。つまり、「意見」は多元論になるのです。ここれが大きな違いになるのです。

試しに以下の2つの文章のどちらが「事実」で、どちらが「意見」かを考えてみてください。

「この記事は、たくさん読まれた。」
「この記事は、100万PVを超えた。」

ぱっと見では同じことを言っているように思えますよね? しかし、1文目は「意見」で、2文目が「事実」となります。

信用が高いのは、「事実」である2文目ですね。これは、1文目には「たくさん」というその人個人の評価が入っています。これは、他の人にとっては、「その通り」かもしれないし、「普通」かもしれないし、「少ない」かもしれないのです。

一方、「100万PV」は、実際にPV(ページビュー)数としてデータ測定できるもので、裏取りが可能ですよね。

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形容詞を減らして、数字で表現することで信用は倍増する

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