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怒りをコントロールするアンガーマネジメントの極意

安藤俊介(日本アンガーマネジメント協会代表理事)

2019年03月27日 公開 2023年01月18日 更新

これからの時代に必要不可欠なスキル

怒りが生まれる仕組みには3段階あります。まず「出来事」があって、それに対して「意味付け」をし、結果として怒りという「感情」が生まれる。

先日、講演会である方に「最近どのようなことに怒りましたか?」と尋ねたところ「コンビニで買い物をしていたら、シレッと割り込みをされたんです」と教えてくれました。

じつはこの方は、すでにこの時点で「事実を事実として認識する」ことに失敗しています。なぜなら、客観的な事実は「シレッと割り込まれた」ではなく、「割り込まれた」ことだけだからです。

割り込んだ人間が「シレッと」していたか否かは、その方の解釈です。隣の人から見たら、もしかしたら「いや、申し訳なさそうにしていた」というかもしれない。いや、そもそも当人は自分が横入りしたと気付いていないから「シレッと」していたのかもしれない。

出来事に対して主観からなにがしかの解釈を混ぜた瞬間に、事実は歪められます。すると、その出来事の「意味付け」が変わる。

この方の場合は、たんに横入りされたのではなく、「シレッと」横入りされたと捉えた。その結果、より大きな怒りを抱えることとなりました。

「事実」と「思い込み」を分ける――。アンガーマネジメントでは、そのスキルを磨くことで、次第に自分と違う人が隣にいてもいいと思えるようになります。

すると、誰が隣にいてもいいし、誰がどんな働き方しても構わない。自分とはまるで異なる価値観をもつ人がいても、それが社会だと思えるようになる。

私は、多くの人がそう思えたときに、本当の意味でのダイバーシティな社会が訪れると考えています。

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