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生き方

橋下徹「失敗の不安が消える、シンプルな考えかた」

橋下徹(元大阪府知事/弁護士)

2019年05月03日 公開 2023年07月12日 更新


(撮影:的野弘路)

<<会社では、日々様々な案件が降ってくる。特にリーダー・課長クラスになると、なんらかの決断を下さなければならない場面が格段に増える。その時に、失敗することの不安から判断を先延ばしにしてしまうのは最悪だ。

5月17日に発刊を控えた橋下徹氏の新著『実行力 結果を出す「仕組み」の作りかた』より、決めるためのマインドセットの方法について抜粋・編集してお届けする。>>

※本稿は橋下徹著『実行力 結果を出す「仕組み」の作りかた』(PHP新書)より一部抜粋・編集したものです。

 

「右か左か分からない」という案件は、「割り箸役」になって決める

現場の部下たちが解決できなくて困っている問題を解決するのが、リーダーの仕事です。判断を逃げて先送りしたり、部下に投げ返したり丸投げしたりしてしまうのはリーダー失格です。

僕が知事を務めた大阪府庁の場合、主査→課長代理→課長→次長→部長→副知事という順で、それぞれのレベルで議論に議論を重ねて、決められなかったものが上にあがっていき、最終的にそれでも決定できない案件が知事の元に来ます。

各レベルでさんざん議論して結論を出せなかった案件は、「右に行くべきか左に行くべきか本当に分からない」というような案件です。どちらに行くかがはっきりしていれば、リーダーよりも下のほうで決めて、とっくに解決しています。

このように現場や組織が判断・決断を下しにくい難しい案件を、リーダーはどういう判断基準で決めればいいのか。僕の場合は、自分の役割は「割り箸」だと割り切っていました。

割り箸を机の上に立てて、右か左か倒れたほうに決めるときの割り箸の役割です。「割り箸を倒して決める?」と不思議に思うかもしれませんが、事の本質はそこにあります。

その道のプロたち何百人が、ああでもない、こうでもないと散々議論しても決めることができないような案件は、「どちらを選択するべきか分からない」、裏を返せば「どちらを選択しても仕方がない」という議論の煮詰まった案件です。

こんな案件について一個人が「絶対的に正しい」判断などできるわけがありません。

大阪府知事、大阪市長時代には、組織において「右か左か分からない」「決めることができない」という案件が、1日に数十件とあがってきました。

それこそ10分単位であがってきます。しかし知事や市長、政治家といえどもスーパーマンではなく、ある意味普通の人間です。むしろ部下の行政マンたちのほうが専門的知識は豊富です。民間企業でも同じでしょう。

リーダーよりも部下のほうが現場を良く知っているはずで、現場が決められない案件について次々と絶対的に正しい判断をしなければならないと思いすぎると、リーダーはプレッシャーに押しつぶされてしまうでしょう。

そうならないようにするためには、リーダーは割り箸役なんだと割り切ればいい。「そこまで組織で徹底して議論しても結論が出ない問題は、どちらに転んでもメリットもリスクもほぼ同じ。

そうであれば自分は割り箸役になって、右か左に倒れるだけでいい」と。もし本当に「割り箸を倒して決めました」と言うと、組織や関係者は「えーっ! そんないい加減なやり方で決めるのか!」となるでしょう。

だからリーダーが決めたという「カタチ」「体裁」が必要なだけなんです。リーダーは絶対的に正しい決定をするというよりも、誰もが決められない問題について「決める」ということが役割なんです。そう割り切らないとリーダーなんて務まりません。

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正しい解を見つけ出すより、まずは決断

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