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「がんが治る」に惑わされない 終末期患者2000人を診察した医師が語る“食事の大切さ”

大津秀一(早期緩和ケア大津秀一クリニック院長)

2019年05月20日 公開 2019年05月20日 更新

<<「先生、別のやり方をやっていればよかった……」

2,000人の終末期患者を診療した医師・大津秀一氏は、健康情報が氾濫する中で、誤った健康法を実践し、後悔する人たちをたくさん見てきました。何を信じたらいいか分からずに時間を浪費する人や、詐欺まがいの健康法に心酔してお金をむしりとられる人もいました。

その大津医師が著書『2000人の終末期患者を診療した医師が教える 1分でも長生きする健康術』で、最後に悔いが残る人を一人でも減らすために、今日からすぐに誰にもできる、科学的に証明された1分でも長生きするための「食事」×「運動」の健康術を教えています。ここではその一節を紹介します。>>

※本稿は大津秀一著『2000人の終末期患者を診療した医師が教える 1分でも長生きする健康術』(光文社刊)より一部抜粋・編集したものです

 

薬剤よりも食事にまつわる研究のほうが難しい

健康になるために大切なのは、これまでの連載でも述べてきたとおり、日々の食事です。テレビの情報番組やCMでやっているように、特定の食材や商品を摂取することではありません。日々の食事は健康に大きな影響を及ぼし、人生の質や長さにも影響します。

どのような食事が私たちの体にいい影響を与えるかについては、様々な研究がなされ、膨大な論文が発表されています。

中には、ある操作(治療や食事など)を行う群と行わない群をランダムに分けて、その効果を測る比較研究などの「信頼できるエビデンス」が示されているものもたくさんあります。

しかし、みなさんは薬剤よりも食事の研究のほうが難しいことをご存じでしょうか。一般的に、薬剤は効果が早く出ます。また、体内のメカニズムに直接に作用するものですから、変化も大きく現れます。

一方で、食事が健康に影響を与えるには長時間かかります。短期間において数値が改善していたとしても、長期間にわたったときにどのぐらい健康につながるかまでは判断できません。ですから、研究を踏まえていたとしても、100%正しいという結論はないのです。

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医師のお勧めは、単なる「個人的な体験談」であることも多い

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