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アメリカで暮らす犬が“幸せ”な理由…飼い主に大人気の「ご褒美サービス」

雨宮寛二(あめみやかんじ:ジャーナリスト)

2019年07月19日 公開 2024年12月16日 更新


※写真はイメージです

サブスクリプション、略して「サブスク」。商品の単品販売ではなく、定額でサービスの提供を通して顧客との関係を深めていくモデルである。デジタル化がサブスクの広がりを大きく後押しした。

動画配信サービスのNETFLIX(ネットフリックス)やDAZN(ダゾーン)をはじめ、食品や衣料、果ては婚活パーティーにまでサブスクは浸透し、消費者の価値観は「所有」から「利用」へと急激に変化している。

本稿ではこの急速に進展するサブスク・モデルにおける多くの事例を解説した雨宮寛二氏の著書『サブスクリプション』より、サブスクモデルの現状を伝える一節を紹介する。

※本稿は雨宮寛二著『サブスクリプション 製品から顧客中心のビジネスモデルヘ』(角川新書)より一部抜粋・編集したものです。
 

バークボックスは飼い主とメーカーをどのようにして結び付けたのか?

米で人気を集めるサブスク・ボックスとは、いわゆる「定期購入便」で、具体的には、毎年もしくは毎月定額料金を支払うと顧客の好みに合わせた商品が"箱"に入って定期的に届くサービスです。

米国では、ペット市場でも注目を集めるサブスク・ボックスが生まれています。2012年に創業したバークボックスは、犬を専門にしたサブスク・ボックスとして会員数を増やしています。

これまでに200万匹以上に、ボックスが配送されるほどの人気ぶりです。愛犬への「ご褒美グッズ」というコンセプトのもとに、毎月定額でロブスターのビスケットといったペット用の高級お菓子や、犬の身体に優しい職人による手作り玩具、ペット用高級タオルなどが届きます。スタッフ厳選で毎回異なる趣向のため、会員の継続率は90~95%の高水準を維持しています。

バークボックス創業のきっかけになったのは、共同創業者であるマット・ミーカー氏が、45キログラムという大型の愛犬にピッタリの玩具が、どこのペットショップに行っても見つからなくて困ったという自身の経験にありました。この経験を基に、愛犬に最適なご褒美を簡単に提供できる仕組みを考えるに至ったということです。

サブスク・ボックスの申し込みは、バークボックスのサイトから簡単にできるようになっています。サイトのデフォルト画面で申し込みボタンをクリックすると、最初に、「あなたの愛犬の名は?」と訊かれます。

次に、「愛犬はどのくらいのサイズですか?」という質問に対して、愛犬の大きさに応じて、小型、中型、大型犬の3つの選択肢から回答できるようになっています。

続いて、「愛犬は牛肉や鶏肉、七面鳥の肉にアレルギーを持っていますか?」という質問の後に、3つのサブスク・ボックス、すなわち、「22ドル/月(1年契約で月ごとに支払い)」、「25ドル/月(6ヶ月契約で月ごとに支払い)」(最も人気が高いプラン)、「29ドル/月(1ヶ月のみ)」の中からひとつを選びます。

いずれも米国の隣接する48州内であれば送料無料です。このオプション画面の下には、「もし愛犬がこれらのサブスク・ボックスに満足いただけない場合には、私たちは愛犬が満足できるように努めます」という表示が出ています。

さらに、愛犬をもっと幸せな気分にするために、「エキストラ・プレミアム・トイ」のオプション・サービスが9ドルで用意されています。最後に支払額が明示され、送付先やクレジットカード番号、メルアドなどを入力すれば申し込みが完了します。

サブスク・ボックスの中身は、2個以上の革新的な玩具と自然素材で作られた高級ペットフードやおやつが入っていて、「総額40ドル以上の価値があります!」というメッセージがサブスク・ボックスの説明文の中で強調されています。

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アメリカでは犬と猫のどちらが多く飼われている?

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