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社会

「ていねいな暮らし」に疲れた店主が開いた、不思議な「本屋」

山下賢二,松本伸哉

2019年09月12日 公開

 

店舗が親戚関係を結ぶ? ホホホ座という不思議なつながり(松本)

ホホホ座尾道店コウガメ
部屋ホホホ座
ホホホ座西田辺
今治ホホホ座
(本)ぽんぽんぽん ホホホ座交野店
ホホホ座三条大橋店
ホホホ座金沢
ホホホ座珈琲大野
ホホホ・ザ・わいわい
ホホホ座ねどこ

これらの「親戚」は、店名を共有しているだけで、経営としては、それぞれ完全に独立した組織です。僕らが、何か強制をしたり、コントロールすることはありません。上下関係の無い、完全に対等な立場です。

発案し、形を作ったのは、僕ですが、「発案」というより、「思いつき」ですし、「形」として、ここで書いていることも、成り行き上のいきさつをまとめているだけで、そこに創始者としての威厳はございません。誰かが上に立ち、指示を仰がなければいけないような状況はないのです。

対等な立場のメリットは、たくさんあります。

「ホホホ座ってそんなにあるんですか! すごいですね」
「いや、まあ、そうですね」

このように、曖昧な返答をしておくと、「開業からたった数年で、全国に10店舗を展開する、今注目のホホホ座」と、勘違いをしてくれます。この勘違いは、全国のホホホ座、すべてに適応します。

どこの店でも「そうですね」と言っておけば、ホホホ座すごい。となるので、労せずしてお店の説得力を持たせることが可能です。誰かが一人勝ちをすることのない、理想的なスケールメリットです。

宣伝、広報の部分でも、ゼロからのスタートではないので、何かと有利です。商品をやりとりしたり、イベント、企画を共有することも可能です。ときには、お互いの得意分野を生かし、一緒に仕事をすることもあります。実際にやってみてわかったのですが、デメリットらしいデメリットは、まったくありません。

ホホホ座は、八百屋でも、コインランドリーでも、バンドや、漫才コンビでも構いません。公序良俗に反するものでなければ、僕たちが業種を限定することはありません。

僕は、いわゆるバブル世代ですので、ひたすら拡大戦略をとって、最終的にダメになってしまったお店や会社をいくつも見てきました。

しかし、ホホホ座は、利害関係のない「親戚」ですので、どこか1つのホホホ座がなくなっても、他に残るホホホ座があります。浄土寺店もいつかはなくなってしまうでしょう。でも、ホホホ座の名前は、どこかで、ずっと続いていくかもしれません。

曖昧で、不自然で、つかみどころのないホホホ座を展開することは、「続ける」ための方法でもあるのです。

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