なぜ、あの人はいつも周囲から「選ばれる」のか。それは、日々の習慣の積み重ねに理由があります。
本稿では、職場や人間関係の中で「この人がいないと困る」と信頼される人が共通して実践している3つの習慣を、書籍『選ばれる人の100の習慣』から紹介します。
※本稿は、井上裕之著『選ばれる人の100の習慣』(日経BP)より一部抜粋・編集したものです。
誰でもできる誰もやらないことを率先してやり続ける
誰もがやりたがらないような「面倒くさいこと」こそ、率先してやる。それが選ばれる人のさらに上をいく「いないと困る人」に共通する行動です。クレーム対応や雑務など、誰も手を挙げないときに動く人は、組織にとって「いないと困る人」になります。
新人のうちは「下働きは非効率」と感じるかもしれません。最近では電話対応も「やりたくない仕事」の代表のように見なされています。
しかし、一見、面倒に見える業務の中にこそ、周囲からの信頼や経験値が積み上がっていくチャンスがあるのです。
クレーム対応もそのひとつです。「申し訳ありません」「お気持ちをお察しします」「今後改善してまいります」と、真摯な姿勢で受け止めることで、多くのクレームは10〜20分程度で収束します。
避けるのではなく、やり方さえ知っていれば、むしろ成長と信頼のチャンスになる。だからこそ「やった者勝ち」と考えていいのです。
やることが多すぎると、仕事が回らないこともあります。そのようなときは「大切な2割」を見極めながら、優先順位をつけていくことも必要です。
ただ、それでも「誰かがやらなければ進まないこと」があったときはやはり自ら手を挙げる。それだけで、「ああ、この人はほかの人とは違う」と思われます。そんな人が選ばれる人であり、必要とされる人なのです。
「いないと困る人になる」ために、まずは面倒なことを引き受けてみる。たとえば職場でそういう存在になれれば、自然と自分の価値は上がっていきます。
上司の立場であれば、上司が率先してその姿を見せること。上司が逃げていては、若手が真似できるわけがありません。人が嫌がることをあえて担う。それが「信頼される上司の姿勢」です。
「わざわざ伝える」を丁寧に続ける
何かアドバイスをもらったときにどんな返事をしていますか?
ただ「わかりました」と返事をする人と、「それを自分はこう受け取り、こう活かしていきたい」と自分の考えを添える人では、相手に与える印象がまったく違います。
言われたことに対して真摯に反応し、自分の学びや行動にどうつなげるかを、具体的に伝えられることも、いないと困る人の共通点です。
こちらが伝えたひと言からさらに深く学び、書籍を読んで調べ、自分の仕事や人生にどう活かせるかまで話してもらえると純粋に嬉しく、育てがいも感じます。そして、何より信頼を寄せたくなります。
もちろん、「わかりました」とだけ返事をし、結果を出す個人プレーヤーにも価値はあります。しかし、組織で一緒に働く仲間として、真剣に話を聞き、それを自分ごとに落とし込んで伝えてくれる人のほうが、意思疎通が図りやすく、何かあったときに相談しやすかったり、「この人がいてくれてよかった」と思えたりする存在になります。
そういう人はチーム全体の空気を良くし、周囲にもプラスの影響を与えてくれます。だから、より「いないと困る人」として存在感が際立つのです。
私自身、過去に「著者に本を渡されたら次の日には感想を送るって、すごいことだよ」という話をある人の講演で聞き、それを実践した経験があります。著者も喜ぶし、なかなかできないことです。
人のできないことをやるから、選ばれる人になり、それ以上の存在になっていく。こうした小さなことの積み重ねは、必ず誰かが見てくれています。
人は、知らなければ、行動できません。
まずは「選ばれる人」「いないと困る人」の考えを知る。
そして行動を重ねていけば、人生は大きく変わっていきます。
「知って終わり」ではなく、「学んで行動し、さらに伝える」ことが大切です。
遠い理想を思い描き、身近な挑戦を積み重ねる
いないと困る人になるには、「一番身近な遠くを目指す」を積み重ねることが大切です。手が届きそうで届かない存在を目標にする、ということです。
成長のためにはロールモデルが必要ですが、あまりに遠すぎると現実味がなく、近すぎると成長が鈍ります。だから現実の中にある"少しだけ高い存在"を目指すことが大切なのです。
その一方で、高い理想を心の中に常に持っておくことも重要です。
目指す場所が「高尾山」なら、その標高で満足して終わってしまう。そうではなく、最初から「エベレスト」を目標にする。
「どうせ無理」と思った時点で、夢は実現しなくなります。
ボクシングをするなら、アマチュアであっても、世界チャンピオンの井上尚弥選手を意識して練習する。憧れの存在に近づくには、「自分ごと」としていかに意識するかが大事なのです。
高い理想を持つと、日々の小さな変化や学びにも敏感になります。この「感度の高さ」が努力の質を高めていきます。
以前、ある美容師さんに「一流になる人の特徴は?」と尋ねたとき、「技術以上に"お客様への気づかい"や"コミュニケーション力"が違う」という答えが返ってきました。
理想が高い人は感度が高くなり、感度が高い人は、楽しみながら努力できる。だから一流になれるのです。
夢を大きく持つからこそ、自分もそのレベルにふさわしくあろうと頑張れる。
身の丈に合わせた人生では、成長の幅も限られてしまいます。