GAFAも大注目する「イスラエル」“中東のシリコンバレー”の真の実力
2019年12月03日 公開 2022年07月08日 更新
人口増加がもたらしたテルアビブの現状
さて、私はこのイスラエルに約1週間、滞在しました。
旅のスタートは「テルアビブ」。これは、「遺跡の丘」という言葉と、新しいものを迎える季節である「春」を意味する言葉を繋げた名前です。
この街の名前には、「古きものと新しきもの、それぞれを大切にする」というイスラエルの人々の思いが込められているそうです。
テルアビブのインフラは先進国としての整備がなされています。通信には特段の問題もありませんでしたが、「道路面積に対する自動車台数の多さ」と、「鉄道整備の遅れ(因みに、トルコと中国本土に鉄道開発を任せてきているが、企画などの問題で既に3年程度遅延しているとのこと)」など、交通インフラに課題を感じました。
テルアビブをはじめとするイスラエル国内各地の主要都市では、人口増加に街が追いつかず、庶民たちから 「一生かかっても自分の家が持てない国などおかしい」との不満が出ています。
現在はテルアビブでも、高層マンションの建設に政府も力を入れているそうです。実際、街中には建設された、また建設中のマンションが見えていました。
なお、テルアビブでは、ロスチャイルドのようなグローバルビッグビジネスを得意とするユダヤ系の人よりも、ファミリービジネスを軸とするスモールビジネスを得意とするユダヤ系の人のほうが総じて多いとの話も現地で出ていました。
イカ、エビ、タコを口にしてはいけない
テルアビブの街には、直ぐに地中海が面しています。
私たちが入った日は、安息日を開けたばかりの穏やかな1日が始まっており、活気ある街という印象を持ちました。
治安の良さも際立っており、そのたとえとして「街中に忘れ置かれた荷物があると爆弾処理チームがいつの間にか現れ、処理していくほどである」との説明がなされていました。もちろん、戦闘地域は危険ですし、また、旧市街の一部にはスリがいるようです。
この国にはイスラム系の人もいて、世界的趨勢と同様に人口増加率はユダヤ系の人よりも高いそうですが、当然にこのイスラエルという国の中心は 「ユダヤ教徒」です。
イスラエルにおけるユダヤ教徒とは、ユダヤ教を信じ、ヘブライ語を理解する人、一方、アラブ人は単純にアラビア語を使う人々と言う理解が、まずはなされているそうです。
ユダヤ教徒は、教義を守りつつ、ユダヤ人としてのアイデンティティを守ることを強く意識しています。
特に「十戒にも記されている安息日」や「ユダヤ教による食事のルールとなるコーシェル」を守ることによってユダヤ教、そしてユダヤ人のアイデンティティを守り通してきていることが、このツアーで改めて感じられました。
この「コーシェル」の規定では、イカやエビやタコなどを口にすることはできません。
例えば、ホテルなどの大衆が集まるところで、日本人が好きな「のしいか」でも食べようものなら、本人のみならず、そうした旅行者を受け入れたホテルまで、ユダヤ教を守る規制委員の人に罰せられることもあるそうです。