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GAFAも大注目する「イスラエル」“中東のシリコンバレー”の真の実力

真田幸光(愛知淑徳大学教授)

2019年12月03日 公開 2022年07月08日 更新

国内外金融機関でのキャリアからグローバルビジネスに精通し、世界各国に独自の情報ネットワークを持つ真田幸光氏(愛知淑徳大教授)。

運営するオンラインサロンでも、そうしたネットワークから得られた情報を独自の視点で読み解き、わかりやすい語り口で発信し、好評を博している。

そんな真田氏が情報を分析する際に大切にしているのは、「実際に現地を見て、体感して伝える」ということ。そのために、注目している地域には積極的に足を運ぶようにしているという。

2019年夏に、訪れた地域は「イスラエル」。そこでは、今どんな変化が生まれ、世界にどんな影響を与えているのか――真田氏が現地に赴き、独自の視点から分析した“イスラエルの今”を紹介する。

※本記事は真田幸光オンラインサロン「経済新聞が伝えない世界情勢の深相~真田が現代の戦国絵図を読む~」内で公開された内容より一部を抜粋・編集したものです。

 

農業、灌漑、ハイテクベンチャーにおいて最先端の技術力を持つ!

世界の動きを体感するために、例年各地を訪問しています。昨年のケニアに続き、今年は、イスラエルを訪問しました。

「日本が連携する国は、英国。新日英同盟の締結を。その日英同盟を基軸として、スイス、イスラエル、シンガポールとDeal by Deal, Case by Caseでの緩やかな連携を!」

と唱えてきた私にとって、イスラエルはぜひ訪問しなければならない国の一つでありました。

まずはイスラエルについての基本的な情報を簡単に説明します。

イスラエルのGDPは、約3700億米ドルです。一人当たりの名目GDPは約42000米ドルと日本よりも多く、先進国として認定される「OECD加盟国」です。ただ、貿易収支は慢性的な赤字で、最新データでも約180億米ドルの赤字となっている点は注目されます。

イスラエルは中東のシリコンバレーとも呼ばれ、インテルやマイクロソフトなど世界的に有名な企業の研究所があります。

また大企業は少ないですが、ベンチャー企業が多いことでも知られています。失敗を恐れない起業家精神に富んだイスラエルの国民性が影響していると考えられています。

そうした新興企業の経営者を上手に束ねているのがネタニヤフ首相です。
イスラエルは約人口900万人の小さな国ではありますが、農業、灌漑、そして様々なハイテク及び電子ベンチャー産業において最先端の技術力を持つとされています。

建国からしばらくは、共同生活と、主導的立場にあった労働シオニズムの影響から社会主義的な経済体制であったとされています。

建国当時は産業基盤もない上に周辺アラブ諸国との戦争状態にあるという悪条件から、苦難を多く抱えていたようです。

その後、ドイツの補償金やアメリカのユダヤ人社会から送られる寄付金など海外からの多額の資金援助を受けて、前述したような分野を軸に経済を発展させていきました。

1980年代後半に入ると、ヨーロッパ諸国及びアメリカと自由貿易協定を結ぶなど自由主義経済へと転換していき、1990年代に加速度的な経済成長をはたします。

 

GAFAによるイスラエル進出

2001年から2002年にかけて、ITバブルの崩壊とパレスチナ情勢の悪化により経済成長率がマイナスに転じるものの、2003年以降は堅実な成長を続け、2008年のリーマン・ショック以降も基本的にはプラス成長を維持、2010年にはOECDにも加盟しました。

なお、イスラエル経済の発展にはアメリカ政府からの累計で300億米ドル以上という多大な経済援助が大きく寄与しているとの見方がある点、付記しておきます。

1990年には、イスラエルへの直接投資は1.51億米ドル、証券投資はマイナス1.71億米ドルという僅かなものでしたが、それが直接・証券ともに漸増していき、特に1998年から飛躍、2000年には直接投資が52.7億米ドル、証券投資がプラス46.13億米ドルに達しました。

こうした外資の集中投下がイスラエルの経済成長率を回復させ、2011~2013年の間にはアップル、グーグル、マイクロソフト、フェイスブック、アマゾンがイスラエルのベンチャーキャピタルを買収、2012年でイスラエルのベンチャーキャピタル投資額は、総額で8.67億米ドル、英仏独とおよそ等しく、日本やカナダの3/5程度となりました。

国内総生産対比では、イスラエルのベンチャーキャピタル投資は0.36%と米国を上回っています。

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砂漠地帯の多さが育んだ先進的な農業技術

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