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上司から「必要以上の仕事」を依頼されないための“コツ”

石川和男(税理士/社会保障経済研究所代表)

2020年04月28日 公開 2022年12月28日 更新

 

 WIN−WINの関係なら、上司にだって仕事は頼める

これは決して「人に仕事を押しつけろ」という意味ではありません。大切なのは、任せた相手にも「正当な成果と報酬」があること、つまりWIN-WINの関係が成立していることです。

そう考えれば、「上司に仕事を任せる」という発想も生まれてきます。

たとえば、「往復で6時間もかかる得意先A社に最終契約をしに行く」という仕事があったとします。そんな状況であれば上司にこんな提案をするでしょう。

「部長、A社との契約が決まりました! もし部長に出向いていただければ、さらに値引きに応じてくれるかもしれません。もしよろしければ、A社への訪問、代わりに行っていただけないでしょうか? その間に私は、例の大型物件の見積書を作成してしまいますので……」

こう言われたら、上司も悪い気はしないでしょう。

もしかしたら、先方が本当に値引きに応じてくれるかもしれないし、契約の締結というおいしい場面を譲り、部長に花を持たせることにもなります。大型物件の見積書の作成をしたいという熱意も、ゆくゆく上司の手柄につながるなら悪くないものです。

そして何より、上司にお願いする(任せる)ことで、私の時間は6時間も浮くのです。

私が言いたいのは、決して「任せることは、悪いことではない」ということです。任せた相手にもプラスを生み出すWIN-WINの行動です。

「仕事が遅い、時間が足りない」と嘆いている方は、仕事に取り掛かる前に「これ、誰かに任せられないかな?」と考えるようにしてみてください。

 

「自分の予定」を最優先せよ!

超一流と言われている「仕事が速い人たち」。

彼らは、驚くほどの量の仕事をこなしているにもかかわらず、プライベートな時間も、ジムに通ったり、ジョギングをしたり、異業種交流をしたりと、アクティブに動いています。

「あなたたちは、トライアスロンの選手か!」というくらい、ハードなスケジュールで過ごしているように見えます。

しかし、当の彼らは余裕しゃくしゃく。ゆとりすら感じます。激務にもかかわらず、どうしてプライベートの時間まで充実させられるのか?

答えは簡単です。理由は、

まず自分との約束をスケジュールに入れてしまうから!

そうはいっても、「一流の成功者だから、自分の時間をコントロールできるんでしょ。普通のビジネスパーソンには、自分との約束を優先することなんてできないよ……」という声が聞こえてきそうです。

しかし、そんなことはありません。普通のビジネスパーソンでも自分の約束を優先することはできます。

私がそのことを実感したのは、働きながら税理士試験の勉強をしていたときです。

1年目はノー残業デーだった水曜日の夜に専門学校に通っていました。

しかし翌年、授業は火曜日と金曜日の夜になりました。

専門学校の授業内容は1回1回がとても濃く、一度でも休んでしまうと途端に授業についていけなくなってしまいます。さらに、税理士試験の合格率はわずか10%前後。中途半端な気持ちでは決して受かりません。

35歳、管理職になりたてだった私。毎日忙しく過ごしていましたが、「これは自分との約束だ」と決心し、どれだけ忙しくても、火曜と金曜の夜だけはスケジュールを空けて、休まずに授業を受け続けました。兄弟や親友のものではない冠婚葬祭への参加は断り、行きたい飲み会の誘いも振りきって講義を受け続けました。

ハードなスケジュールでしたが、それを達成できたのは「自分との約束」を果たしたいという気持ちがあったからです。

仕事が速い人は、「自分との約束」を何より最優先し、スケジュールに入れてしまっているのです。さらに約束の期限までに仕事を終えるように集中するので、ますます仕事が速くなります。

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 コツは「宣言」してしまうこと

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