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上司から「必要以上の仕事」を依頼されないための“コツ”

石川和男(税理士/社会保障経済研究所代表)

2020年04月28日 公開 2024年12月16日 更新

くる日も来る日も山積する仕事。いくら自分の仕事を効率化したところで限界がある。残業が増えて、プライベートまで削られることで、スキルアップの機会すら逃してしまったら、いつまでたっても次のステージにはたどり着けないだろう。

新著『仕事が早い人は、「これ」しかやらない』を上梓した石川和夫氏は、同書において「仕事を任せること」と「自分の予定を最優先すること」の重要性を説いている。本稿ではその一節を紹介する。

※本稿は、石川和男著『仕事が早い人は、「これ」しかやらない』(PHP研究所刊)より一部抜粋・編集したものです。

 

それは本当にあなたがやるべき仕事か?

仕事を速く進めようにも、自分でできることには限界があります。そこで仕事が速い人がやっているのが、「任せる」というワザです。

1つご紹介したい言葉があります。

「自分の時間は買えないけれど、他人の時間は買える」

この言葉を初めて聞いたとき、私は雷に打たれたくらいの衝撃を受けました。「目からウロコ」とは、まさにこのこと。

1日は24時間しかありません。街角のゴミを拾ったら、ご褒美で1日が26時間に増えたり、ゴミを捨てたからといって1日が22時間に減ることはありません。

すべての人間にとって、1日は等しく24時間だと決まっています。どんなお金持ちでも、時間はお金で買えません。

しかし、それは自分の時間の話。他人の時間であれば「正当な成果と報酬を示し、代わりにやってもらう」という選択肢が生まれるのです。

これが任せることの本質です。

それまでの私は、独り寂しく夜中の11時まで残業をしていました。そこから「変わるぞ!」と決心した私にとって、この言葉はまさに至し言げんでした。

この言葉を知ってからは、「任せること=他人の時間を買うこと」を意識するようになりました。「この仕事は誰かに頼めないだろうか?」と常に考え、「これは頼める!」と判断したものは人に任せるようになり、仕事が劇的に速くなったのです。

イギリスのある大学の調査によれば、事務系の職場の上司は、本来なら部下でもできる仕事の41%を自分で抱え込んでしまっているそうです。

生産性が高いと言われているイギリスでさえそうなのです。先進国のなかで、もっとも生産性の低いわが国(日本の「労働生産性」は、47年連続で主要先進7か国で最下位)の上司なら、41%どころか、もっと多くの「部下でもできる仕事」を、自分でやってしまっているはずです。

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 WIN−WINの関係なら、上司にだって仕事は頼める

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