共感力を育てるためのポイント(3)いたわる
「心細かったでしょう?」「思いどおりにいかなくて、悲しかったね」……子どもの気持ちを想像して、その気持ちをいたわることも共感力アップの大事なポイントです。
右脳(感じる領域)と左脳(言葉の領域)の連携が頻繁で、人の気持ちに共感しやすい女の子は、4歳ともなれば母親の気持ちがわかり、助けてあげたい気持ちになるもの。でも、まだ一人前にできないので、手伝おうとして物を倒したり、落としたりしがちです。そんなとき、「なんで余計なことをするのよ!? 」と腹立ちをぶつけるのではなく、「手伝ってくれようとしたのね」と、その気持ちを汲くんであげましょう。
「結果」ではなく「気持ち」を喜ぶ
幼子は、いたずらする気なんて毛頭なく、好奇心に駆られて、あるいは母親の役に立ちたくて、純粋に「それ」をしています。「結果」がどうであれ、「気持ち」を喜ぶ。これは、コミュニケーションの極意。将来、人の上に立ったとき、「度量がある」と慕われる大人になれます。
また、気持ちをことばにしてもらえると、豊かな表現力が身につき、将来の国語力がアップします。国語力は、実は理系の能力の基礎とも言われています。
共感力の低い子が増えている
人とリアルに接し、関わる経験が不足しがちな現代こそ、意識して「共感力」を育むことが大切です。
ここ3、4年ほど、「新人の反応が弱い」という人事部門のため息を聞くようになりました。うなずかないので、指導者のメンタルが下がってしまうと。
実は、その十数年前、小学校では、「1年生の反応が弱い」のが話題になりました。「1年生の皆さん」と声をかければ、「はーい! 」と元気に手を挙げるのが、1年生というものだったのに、それがなくなった、と。
やがて、ラジオ体操が覚えられない子が出現するようになりました。ラジオ体操は、覚えるものじゃなく、真似するもの。つまり、「目の前の人の表情や所作を真似できない」子どもが増えていたのです。
原因は、ミラーニューロンの消しすぎ。スマホとゲームに向き合う時間が劇的に増えた21世紀、親と子が、子ども同士が、リアルに顔を見合わせて共鳴し合う経験が減ってしまっているのです。
うなずけない子にしないために
共鳴体験が少なくて、うまくうなずけない子は、叱ったときに、親の怒りに拍車がかかることがあります。うなずいたり、悲しい顔をしたりしないから。話を聞いていないように見えるからです。
「話、聞いてるの! 」と怒鳴りたくなったら、ちょっと待って。単に反応が弱いだけで、脳はちゃんと聞いているのかもしれません。怒鳴るのをやめて、もっともっと優しいコミュニケーション体験をあげましょう。本文でのべた3つのポイントを思い出し、親子で微笑み合う時間をぜひ大切にしてくださいね。