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「長生き犬ごはん」の考案者がたどり着いたワンコための“一汁一菜”

林美彩&古山範子(獣医師)

2022年02月04日 公開 2024年12月16日 更新

家族の一員、大切な愛犬の健康を願う2人の獣医(林美彩氏と古山範子氏)が考案したレシピを公開した書『獣医師が考案した長生き犬ごはん』。2019年に発刊され多くの支持を集めるベストセラーとなった。

その2人の獣医師より新たに提唱されたのが、犬のための「一汁一菜長生きごはん」。一汁一菜とは、主食(白米や玄米など)に、 汁もの(味噌汁など)一品と、おかずを添えたものであり、日本の伝統的な食卓法(=粗食)を指すが、水分の効率よい摂取や早食い防止、何より食事から愛犬の好みや体質を深く知ることができるなど、一汁一菜ならではのメリットがあるという。

新刊『獣医師が考案した一汁一菜長生き犬ごはん』にて2人が、生まれた背景やその意義を語った箇所を抜粋して紹介する。

※本稿は『獣医師が考案した 一汁一菜長生き犬ごはん』(林美彩 著, 古山 範子 監修、世界文化社刊)より一部抜粋/編集したものです

 

愛犬のための「一汁一菜」なぜ生まれたのか?

【林】従来は一汁一菜(=粗食)というと、質素な食事を意味する言葉でしたが、日本のバランスの取れた伝統的な食事こそが「一汁一菜」です。

飼い主である私たちの食事法としても見直されていますよね。家族のひとりでもあるワンコのために、旬の食材を選びながら、一緒に四季を感じたり、食材本来の味わいを楽しむことができることは素晴らしいと思いました。

【古山】あとは(汁ものから)水分も摂れるという具体的な利点もありますね。また、人間とワンコの食事を別々に調理するとかなり時間を要しますが、(最後に取り分けて、飼い主さん用には調味料を、ワンコにはそのまま与えると)一度で完成して時短になります。手の込んだペアレシピを飼い主さんとワンコが食べられるのは幸せですよね。

【林】汁ものやおかずを分けることで、早食い防止にもなります。ただし、一汁一菜を毎日与えるとなると、ミネラルが不足しがち。

そのため、レバーなどの臓物やサプリメントを追加することをおすすめします。まずはレシピの食材の7 割くらいの量から始めて、ワンコの食いつきや体重変動、排泄物の状態を見て、量を増やしていくのがベストです。

【古山】栄養バランスなどが気になる方は週1 回でもいいと思います。人によっては、毎日頑張って作るとなると疲弊してしまいます。心に余裕が
ないとワンコの気持ちも沈みがちに。そんな場合は、特別な日に一汁一菜と考えるのもいいと思います。

 

愛犬の一汁一菜を作るうえで気をつけること

【林】野菜やお肉などは、必ずワンコが食べやすいサイズに切ってあげることが大事です。

『獣医師が考案した一汁一菜長生き犬ごはん』ではあえて崩したり切ったりせずに紹介していますが、そのまま与えてしまうと、消化不良を起こしてしまったり、丸飲みすることでのどに詰まらせてしまうことも考えられます。また、そのままでは熱すぎる料理は必ず人肌に冷ましてから食べさせてください。

【古山】当たり前のことですが、ワンコが食べたら危険な食材もたくさんありますので、それは注意してほしいです。

例えば、私たちが食べるお鍋にはワンコが食べられないねぎ類などがよく入っていますが、ねぎと同じ鍋で煮込んだチキンをあげるのも厳禁です。ねぎのエキスが浸み込んでいるので危険だからです。

【林】ねぎ類などを切ったりした包丁やまな板は、ちゃんと洗ってから使うことも大事ですね。

 

いざというときに備えて、愛犬が食べられるものを増やしておく

【林】気軽に作ってほしいですね。飼い主さんがしんどいと思った日はドッグフードと併用してもいいと思います。

【古山】ワンコと飼い主さんのコミュニケーションツールになればいいですね。また、余談ですが、日本は自然災害が多いので、いざというときに食べられるものが多いほうが、ワンコにとってもいいかと思います。

 

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