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生き方

誰にでも起こりうる「パートナーの突然死」...経験者が苦労したこととは?

小谷みどり(シニア生活文化研究所 所長)

2022年03月11日 公開

 

お互いが生きているうちにやっておきたいこと

(1)自分のために家事をする

多くの女性がふだん料理や家事をしているのは、家族や誰かのためです。その反動か、パートナーと死別すると料理をしなくなって栄養失調になったり、片づけをしなくなったりする人がじつは多いのです。自分のための料理や家事であることも心がけておきましょう。

(2)人間関係のリスクヘッジ

女性は子どもを介して地域とのつながりのある人が多いのですが、男性はパートナーと死別すると孤独になりがちです。地域のボランティア活動に参加する、人とのふれあいがあるお店の常連客になっておくなど、身近な人との会話を大切にしておきましょう。

(3)経済的な自立

家庭内でおもに夫のサポートをしている女性の場合、死別後は自分で収入を得る方法を考えなければなりません。とくに社宅の場合は、夫の死後にすぐ遺品を整理して退去しなければならない状況もありえます。生活のダウンサイジングや、資格をとっておくなど、経済的な自立の手立ても意識しておきましょう。

 

もしも、パートナーを失って立ち直れないときは

私は今でも、「夫はアフリカくらいの遠くに出張に行っている」と思うことがあります。きっと、まだ夫の死を受容できていないのでしょう。そもそも、死の受容とは何なのでしょうか?

世のなかにはいろんな考え方があります。「星になった」「お盆になると帰ってくる」「見守ってくれている」など。いずれにせよ、死んだ人と自分との関係は一方通行です。

そんな今の私を動かしているのは、「夫のために生きていく」という気力です。夫は私の心のなかに生きています。没イチ会のテーマも「死んだ配偶者の分も、2倍人生を楽しむこと」です。配偶者の好物を食べるもよし、行きたかった場所に行くもよしです。

それでも立ち直れない場合は、同じ体験をした人たちで集う会合に参加してみるのもいいでしょう。私は没イチ会で話すうちに、生きる意味を見失っていた人が立ち直り、人生を再構築していくようすを何度も見てきました。行政や自治体で運営されている会もあります。自分の気持ちを気兼ねなく話せる場があると、楽になれるかもしれません。

 

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