Webマンガ原作で飛躍的に広がる韓国ドラマの世界
ドラマの原作は「ウェブトゥーン」と言われる韓国発のウェブ漫画で、この作品の大ヒット以降、さらに大きな注目を集めるようになった。ポータルサイト上で基本的に無料で読むことができるという産業構造ゆえに、ブラック化などの問題もあるようだが、だからこそ「なんでもあり」の多様な世界がある。
今ではドラマのヒット作でウェブトゥーン原作でない物を探すほうが難しいほどだし、バリエーションの広がりにも大きく影響していると思う。本作品の「地味めなお仕事日常モノ」ももちろんだが、特にファンタジーやホラー、最近流行りのディストピアものなどでは飛躍的と言えるのではないだろうか。
最後にこのドラマの女性の描かれ方に触れておきたい。韓国でフェミニズムの動きが加速したのは2017年に起きた「江南駅殺人事件」がきっかけだ。詳細はぜひネット検索などしてもらいたいが、この作品はそれ以前の2014年に放映されている。
グレの同期で唯一の女性アン・ヨンヒに対するセクハラや、オ課長の同期ソン次長のワンオペ育児などは、今見ると批判的視線が足りないように思えるが、この点に関してもオ課長は目配せを怠らない。彼が「理想の上司」と言われる所以である。