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「必死に頑張った成果を売りにする人」が才能を活かして働けない理由

山根洋士(一般社団法人メンタルノイズ心理学協会チェアマン)

2022年06月27日 公開 2024年12月16日 更新

自分には才能がないと思い込んでいる人がいます。心理カウンセラーの山根洋士さんは、それはメンタルノイズ(無意識に表れる心・考え方のクセ)のせいだと指摘します。どんな人にも必ず秀でた才能があるもの。自分の得意なことで稼ぐ方法を紹介します。

※本稿は、山根洋士著『「自己肯定感低めの人」が、一生お金に困らない方法』(PHP研究所)より内容を一部抜粋・編集したものです。

 

「自己肯定感低めの人」が、才能に気づく方法

自分がやっていることに自信が持てない。誰でもできることだと思ってしまう。仕事を転々と変えてきて、一貫性がない。「自分はこれができます!」と胸を張って言えることがない...。自己肯定感が低めの人ほど、そう思ってしまいがちです。

自分の才能は、自分では気づきにくいものです。往々にして、人に評価されて初めて気づくものですが、その評価を受け取っていない人がたくさんいます。

なぜなら、自分にとっては目をつぶっていてもできるぐらいすごく簡単なことで、評価される意味がわからないからです。簡単にできることを評価されても、あまり嬉しくないんですよね。天邪鬼な人ほど、その傾向があります。

逆に、そういう人は「頑張ってやったこと」を評価されると、嬉しがります。こうなるのは、仕方がないことなんです。なぜなら、幼いころからそうやって育てられてきているから。

頑張ったときだけ「すごいわねぇ〜」と褒められてきたから、頑張ってやったことがすごいこと、と錯覚して当然なのです。

 

継続できることが宝なり

才能というのは、一部の選ばれし人だけが持っているもの、という考えもメンタルノイズの1つです。才能とは、自分は呼吸と同じくらい簡単にできるけど、周りの人はそんなに簡単にできないことです。

ついつい、スポーツや芸術、語学、IT系など、その才能がないとできない分野を特別視しがちですが、リーダーシップがある、計画性がある、片付けが好き、聞き上手など、誰にでも必ず秀でた才能があります。

ただ、自分では目をつぶっていてもできるぐらい簡単なことだから、自己肯定感が低めの人の場合、それを自分の強みにはできないのです。

自己肯定感が高い人は、自分自身をありのまま肯定しているように、自分の得意なことも肯定しています。

だから、得意なことを真っ先に自分の強みとして活かします。逆に、自己肯定感が低めの人だと、自分自身を肯定できていないため、自分の得意なことも肯定できず、それを強みにしていいと思えません。

難しい資格の取得や技術の習得に必死になることで、初めて自分を肯定できるわけです。いわば、頑張ることが自己肯定感を上げる手段になった状態。それだと、頑張り続けないと自己肯定感を保てないため、常に難しい課題にチャレンジし続けることになります。

心身ともに疲弊するだけの結果を招くことは言うまでもありません。が、本人は「継続は力なり」と言って、さらに自分にムチを打とうとし...。

考え方がまったくもって真逆なのです。才能は頑張って身につくものではありません。いとも簡単にできて、頑張らずに続けられることが自分の才能です。

それに気づくことが、才能を強みに変える第一歩です。というと、自己肯定感が低めの人から、簡単にできることを強みにする自信なんてない、という声が聞こえてきそうですが(笑)。

ただ、自信があるのもないのもコインの裏表で、実は一緒なんです。なぜなら、自信がない人は「自信がないことに自信がある人」だから! その自信を胸に、頑張らずに続けられることをしましょう。

継続は力なり、ではなく、「継続できることが宝なり」なのです。

例えば、私のセミナーに参加した生徒さんの中にも、自分の才能に気づき、年収を大幅にアップさせた方がいます。

40代半ばでシングルマザーの方のお話です。その方は元々、会社員として産業カウンセラーしていたのですが、ある日体調を崩して自宅で寝込んでいるときに流し見していたYouTubeで、たまたまタロット占いの動画が流れ、そのシャッフル音とカードさばきに魅了され、体調が回復したらすぐにタロットカードを買いに行ったといいます。

初めは友人を占っていたそうですが、「当たっている!」と言われるのが嬉しくなって、毎日夢中になって練習するようになったといいます。

占いを始めてから3カ月後にはYouTubeを開設し、今では登録者数3万人超えの人気チャンネルとなり、月収は100万円を超えているそうです。

彼女のように、友人や周りの人から評価されること、自分が夢中になって継続できることの中にこそ、自分の才能は隠れているのです。

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