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スマホ老眼を「たかが近視」と見くびってはいけない怖い理由

平松類(眼科専門医、医学博士)

2022年07月20日 公開

近視、老眼、眼精疲労、ドライアイ、白内障...。デジタル機器の普及や生活習慣の変化などによって、目のトラブルが増えています。一生よく見える健康な目でいるために、私たちは何をしたらよいのでしょうか?

※本稿は、『月刊PHP』2022年8月号特別企画「目の健康を守ろう!視力がよくなる6つの習慣」より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

若い人に増えている「スマホ老眼」

年齢を重ねると誰でも老眼になります。老眼は加齢によって毛様体筋の柔軟性が損なわれ、近くのピントが合わなくなる現象です。

実は、老眼は10代から始まっており、早い人では40歳ごろになって自覚するようになります。

ところが、最近心配されているのは、若い人でも近くが見えづらくなる「スマホ老眼」が増えていることです。

スマホ画面を見ることが習慣になると、毛様体筋の働きが悪くなり、近くのものでもピントが合いにくくなるのです。

 

「たかが近視」とあなどるのは危険

目のピントを調整しているのは、毛様体筋です。毛様体筋が収縮したり弛緩したりして水晶体の厚みを変えることで、私たちはモノの像をくっきりととらえることができます。

ところが、スマホやパソコンの画面など、近くばかり見ていると、毛様体筋によるピント調節機能が限界に達し、眼軸長(角膜から網膜までの長さ)が後ろに伸びてしまうという変形が起こります。

眼軸長が伸びると、網膜より手前でピントが合うので近くは見えますが、遠くがぼやけます。現代人の近視のほとんどはこの「軸性近視」です。

近視の人は白内障、緑内障、網膜剥離、近視性黄斑症など、失明の危険がある重い病気になる確率が高くなります。

「たかが近視」とあなどるわけにはいきません。

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セルフケアで「よく見える目」に

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