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後白河法皇~平清盛、源頼朝を翻弄した「日本一乃大天狗」

2018年03月12日 公開

歴史街道編集部

後白河法皇
 

今日は何の日 建久3年3月13日 後白河法皇が没

今様を好みて怠ることなし

建久3年3月13日(1192年4月26日)、後白河法皇が没しました。源頼朝が「日本一乃大天狗」と評した策謀家として知られ、平清盛や頼朝と対立した、この時代のキーマンの一人です。

後白河は大治2年(1127)、鳥羽上皇と中宮・藤原璋子(待賢門院)の第4皇子に生まれました。同年、親王宣下を受け、雅仁と命名されます。平清盛は9歳の年長でした。

幼い頃から今様を好み、遊興に明け暮れたといわれます。「十余歳の時より今に至るまで、今様を好みて怠ることなし」と自ら編んだ今様の集大成『梁塵秘抄』に記しているほどでした。
 

保元・平治の乱

久寿2年(1155)、近衛天皇が没すると29歳にして即位。翌保元元年(1156)、鳥羽法皇の崩御を機に、保元の乱が勃発します。皇位継承問題と摂関家の内紛が絡んでの、後白河天皇方と崇徳上皇方との武力衝突でした。結果、後白河天皇方が勝ちますが、後白河は形式的な関わり方で、実際に主導したのは信西(高階通憲)です。その後、後白河は僅か3年で退位し、二条天皇が即位しました。一説に、今様に打ち込みたかったためであるともいわれます。

平治元年(1159)、平治の乱が勃発。保元の乱後の論功行賞に不満を抱く源義朝が、藤原信頼と組んで起こしたものでした。この時、上皇となっていた後白河は、義朝によって大内裏の一本御書所に幽閉されていたのを、平清盛に救出されています。

平治の乱が、清盛が味方した二条天皇方の勝利に終わると、後白河は栄進を重ねる清盛との結びつきを強めました。清盛造営の蓮華王院を供養し、清盛の福原別業(別荘のこと)に臨幸して、宋人と会ったりもしています。 そして仁安2年(1167)、清盛の妻・時子の妹・滋子が後白河の女御となり、清盛と後白河は義兄弟になりました。清盛は従一位太政大臣となります。

仁安3年(1168)には滋子の子・高倉天皇が即位し、清盛は位人臣を極めました。この頃が後白河と清盛の関係の頂点だったようです。 安元2年(1176)、建春門院と号していた滋子が没すると、後白河と清盛の関係も冷え込み始めました。後白河は平家一門でなく、自分の近臣を登用し始め、平家の勢力伸張を抑えようとします。清盛も後白河の行動に、次第に警戒感を募らせるようになりました。
 

「日本一乃大天狗」として平清盛、源頼朝を翻弄

そして治承元年(1177)、鹿ヶ谷事件が起こります。後白河の近臣たちが平家追討の謀議をこらしていたことが発覚し、関係者すべてが捕えられる事件でした。清盛の権力はすでに、近臣の謀議程度で覆るようなひ弱なものではなくなっていましたが、近臣を犠牲に身の安全は図りつつも、後白河は次に清盛一族の知行国を削るという攻撃に出ます。この後白河のたびたびの挑戦に、さすがの清盛も堪忍袋の緒を切り、治承3年(1179)11月、数千の軍勢を率いて入京すると、関白、太政大臣らを解任して後白河を鳥羽殿に幽閉、独裁政治を始めます。

しかし清盛のクーデターは反平氏勢力の反感を高め、治承4年(1180)、後白河の子・以仁王と源頼政が挙兵、さらにこれに呼応する勢力が各地に現われました。8月に源頼朝が伊豆に挙兵、9月に木曾義仲が信濃で挙兵、10月に富士川の合戦で平家方が大敗します。そして翌養和元年(1181)、清盛は熱病で没しました。

清盛の死後、後白河は院政を復活させ、奥州の藤原秀衡に源頼朝追討の院宣を下します。一方、木曾義仲には平家追討を命じ、次に秀衡に義仲・頼朝征伐を命じ、平家滅亡後は、源義経に頼朝追討を命じました。さらに義経の勢威が振るわないと見るや、頼朝に義経を討たせようとし、さらには秀衡の子・泰衡を頼朝に追討させます。まさに頼朝が呼んだごとく、狡猾老獪な大天狗ぶりでした。

建久元年(1190)、後白河は上洛した頼朝と対面し、険悪だった仲は修復されました。そして建久3年、後白河は六条殿で崩御します。享年66。武士の世の到来に対して抵抗しつつ、最終的には朝廷と幕府の枠組みを整えた点などを見ると、最後までしたたかであったようにも感じます。

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