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50代で「老後資金の不安はない」と言える人の収入源とは?

2023年03月05日 公開
2023年03月06日 更新

午堂登紀雄((株)プレミアム・インベストメント&パートナーズ代表取締役)

牛堂登記雄 老後 投資

老後のお金の安心を手に入れるには、「自分が働けなくなってもお金が入ってくる収入源」を40~50代のうちから作っておくことが大切──。そう語るのは起業家兼個人投資家の午堂登紀雄氏だ。では、会社員はその収入源をどう作ればいいのか。株式から太陽光発電まで様々な投資を行なっている午堂氏に聞いた。

※本稿は、『THE21』2023年4月号特集「定年後ずっと困らない『お金の安心』を手に入れる方法」より、内容を一部抜粋・編集したものです。

※本稿は2023年3月時点の情報に基づき、投資に対する著者の考え方を示したものであり、個別の金融商品を推奨するものではありません。金融商品の価値は状況によって変動しますので、購入の可否を含む投資の判断はご自身の責任で行うようお願いいたします。

 

年金に依存した老後設計は危険

今の40~50代にとって、年金は残念ながらあてにできません。1学年の出生人口が200万人もいる団塊ジュニア世代の年金を、1学年80万~100万人しかいない今の子どもたち世代の負担で支えられるとは思えないからです。減額されるだけでなく、支給開始年齢がさらに遅れることもあり得ます。年金に依存した老後設計は危険です。

年金の減額をカバーする手段として最初に思い浮かぶのは「貯金」ですが、それだけでは老後のお金の不安は解消できないと思います。

貯金残高が年々減っていくことを想像してみてください。ある程度の貯金があっても、「もし100歳まで生きたら……」などと考えると、長生きすることが恐怖になってしまうのではないでしょうか。

ではどうすればいいか。まず重要なのは、できるだけ長く働き続けられる自分になること。65歳を超えて雇われるにしても、独立して働くにしても、40~50代のうちからそれを見越して準備をしておくことです。

ただ、病気などで働けなくなるリスクもありますし、年を取ればいつかは働けなくなります。そこで、もう一つ重要なのが、自分が働けなくなってもお金が入ってくる「自分の労働力に依存しない収入源」を作っておくことです。

かくいう私は50歳の時点で、自分の労働力に依存しない収入源を確立しました。主な収入源は不動産投資です。

会社員時代に購入した約800万円のワンルームマンションを皮切りにいくつかの物件を所有し、安定的に家賃収入を得ています。またここ5~6年で15カ所の太陽光発電所を購入し、20年間は売電収入が得られる見込みです。

株式投資も行なっています。日本やアメリカの配当の高い銘柄を保有し、毎年配当を得ています。業種でいうと、インフラ系やエネルギー系が中心です。

複数の収入源があるので、銀行の貯金はそこまで多くありませんが、老後のお金の不安はほとんどありません。

こうした収入源は一朝一夕には作れません。できるだけ早いうちから、コツコツと築き上げていくことが大切です。

 

労働力に依存しない収入源の条件

自分の労働力に依存しない収入源を作るときは、以下の条件を満たすものが良いでしょう。

(1) 収入が安定している
老後、長期間収入を得ていきたいと考えると、収入が乱高下するものは避けるべきです。

(2) 手間がかからない
稼ぎ続ける自分になるためには引き続き、仕事も頑張らなければなりません。収入源を築くことに多くの時間を割けないと考えると、手間がかからないものを選ぶことが重要です。

(3) レバレッジがきく
自己資金だけで大きな収入源を作るのは限界があります。お金を借りて元手を増やすことでレバレッジ(てこ)をきかせることができ、より大きな収入源が作れます。

先に挙げた収入源の中で、これらの条件をすべて満たしており、会社員の方にお勧めなのは不動産投資です。

不動産投資の特徴は、収入の安定性が高いこと。空室リスクはありますが、家賃がいきなり何万円も下がることはありません。しかも自分が働けなくなっても、空室にならないかぎりはずっと稼ぎ続けてくれます。

ほとんど手間がかからないのもポイント。物件管理や入居者募集は、手数料を払えば代わりにやってもらえます。事実、私が昨年1年間で不動産投資に使った時間はわずか数分です。

レバレッジもきかせられます。不動産は担保価値があるので、銀行も融資をしてくれるのです。特に会社員は金融機関から信用力が高いので比較的低金利で借りられ、少ない自己資金でも大きな運用ができます。

多額の資金を借りると返済も大きくなりますが、毎月の家賃収入から返済していくので、実質的には物件の入居者がお金を返してくれるようなもの。それでいて、ローンが払い終われば物件は自分のものになるのですから、他人のお金を使って貯金をしているようなものです。

ただ、初心者の方にとって、不動産投資はハードルが高く感じると思います。そこでお勧めなのは、「都市部で、小さく始める」こと。もう少し詳しく言うと、「都心から電車で30分圏内」「駅から徒歩10分以内」の場所を狙うと良いでしょう。

都市部を勧めるのは働き手や学生が多く、空室リスクが低く抑えられるから。駅から近ければより空室の心配が減ります。

「小さく」というのは、ワンルームマンションのこと。ローンの返済額がたいてい月数万円なので、リスクが抑えられます。

都市部のデメリットは、物件価格が高く利回りが低いこと。家賃収入からローン返済と諸経費を差し引くと、月々の収支が数千円のマイナスになってしまうことも。

ただ、地方や郊外の高利回り物件は、空室リスクが高いからそれだけ利回りが高いとも言えます。初心者は安心を買うつもりで、都市部の物件を選択するのが得策でしょう。

他方、最近は金利が上がる可能性が高まっていて、それにともない不動産投資ローンの金利が上がる可能性もあります。もっとも、金利が上がると買い手が減るので、物件価格は下落し、投資チャンスが上がってきます。高値でつかまないように注意しながら物件を探しましょう。

小さくでも始めてみると、不動産投資が自分に向いているかどうかがわかります。向いていると思えば、物件の数やタイプを広げていけばいいのです。

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