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稲盛和夫、柳井正、鈴木敏文……名経営者の「心に響く言葉」

2015年05月15日 公開

勝見 明(ジャーナリスト)

現代の名経営者5人の「名言」

ビジネスを成功させてきた経営者たちの言葉には、時代や場所を選ばない普遍性がある。ここでは、数々の経営者たちにインタビュー取材をしてきたジャーナリストの勝見明氏に、5人の現代日本を代表する経営者を取り上げていただき、その「言葉」を解説していただいた。
『THE21』2015年6月号より>

 

稲盛和夫「 自ら燃える『自燃性の人間』になれ」

京セラ名誉会長/日本航空名誉会長

人間には、自分で燃える自燃性、周りから焚きつけられて燃える可燃性、周りが燃えても燃えない不燃性の3タイプがある」と稲盛和夫氏は言う。

また、中国明代の思想家・呂新吾がリーダーの資質を3等級に分け、「聡明才弁なるは、これ第三等の資質」と、「頭が良くて才能があり、弁舌が立つ人」を最下級とし、「深沈厚重なるは、これ第一等の資質」と論じて、「深くものごとを考え、動じず、確固たる信念を持つ人」を最上級に位置づけたこともよく引く。

日本航空再建に乗り込んだとき、幹部たちは高学歴で頭は良いが、破綻の原因を他人事のように語る「聡明才弁」の不燃性ばかりだった。そこで稲盛氏は自らの言葉で彼らの心を焚きつけ、困難に立ち向かう姿を行動で示し、不燃性を可燃性へ、さらに自燃性へと変えていった。

我々は「聡明才弁」のスキルにかたよりがちだが、「深沈厚重」で自ら燃える人間こそが第一級人材であると稲盛氏は説く。
 

古森重隆「 仕事の成果はその人の持つ『五体の総和』である」

富士フイルムホールディングス会長兼CEO

構造改革により、富士フイルムを危機的状況から成長軌道に乗せた古森重隆氏は、「人材育成はとかく『首から上』ばかりにかたよりがちだが、大切なのは『首から下』も合わせた五体の力の総和だ」と説く。「社員の成長は本人の自覚が7割で、指導は3割」が持論で、「本人の自覚を促すよう、上司が現場で部下と一緒に戦い、教え込むのが五体の総和としての人間力である」と話す。

目と耳と皮膚感覚で情報を収集。足腰を鍛えて現場で現実を認識。頭で戦略を立て、腹を据えて決断。口で伝え、時には腕力でパワープレイも駆使。そして、相手に対する思いやりのハートを大切にする。

欧州駐在時代は、体格の良い相手に圧倒されがちな部下たちに、五体すべての力で勝負すれば信頼を得られることを率先垂範し、業績を躍進させた。劇的な復活も、古森氏の五体を総動員した人間力の成果に他ならない。

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