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何度言っても同じミスをする部下の「叱り方」

2015年08月05日 公開

吉田幸弘(リフレッシュコミュニケーションズ代表)

 

「クッションフレーズ」を用い、落ち着いて叱る

部下の行動に問題があったときに怒りを感じるのは人間として仕方のないことですが、それをそのまま口に出すのではなく、自分の中でいったん整理してから話す習慣をつけましょう。

私がお勧めするのは、叱る前に前置きをすること。「今日はちょっと嫌なことを話すかもしれないけど」「話しにくいことなんだけど、ちょっといいかな?」という柔らかいクッションフレーズで前置きをすると、自分もひと呼吸置くことができますし、部下も「上司が自分に気配りしてくれているのだな」と感じて、そのあとに続く言葉を受け入れる心構えができます。

あるいは、ねぎらいから入るのもよいでしょう。営業成績が伸びない部下に、いきなり「最近、数字が悪いな」と言うのではなく、まずは「既存のお客様からの受注は順調だね。上司の私も助かるよ」とねぎらう。それから「ところで新規開拓はあまり進んでいないようだから、そちらも力を入れるといいね」と改善してほしい点を伝えるのです。どんな部下にも必ず良いところがあります。「日報だけは毎日きちんと書く」「メールの対応だけは早い」といった程度のことでかまわないので、まずはそこをねぎらってください。

 

「Iメッセージ」なら相手を傷つけない

「自分」を主語にする「Iメッセージ」を心がけるのも重要です。相手の問題を指摘するときも、「私はこう思ったんだけど」という話し方をするのです。

「君が作った報告書が間違ってるんだけど」と相手を主語にすると、頭から決めつける強い言い方になってしまいますが、「私はこの報告書の売上げの数字が間違っていると思うんだけど」と自分を主語にして言えば、部下も一方的に責められている気分にはなりません。また、実際はその数字が正しくて、上司の勘違いだったという場合にも、「なるほど、私はそう思ったんだが、事実は違ったんだね」と前言を撤回しやすくなります。

モチベーションが下がっている部下に対しても、「◯◯君、最近、元気がないな」ではなく、「最近、元気がないように感じるけど、どうなの?」と「Iメッセージ」で話してください。「元気がないな」と言われても、部下に「そんなことないです」と返されたら何も言えなくなってしまいますが、自分を主語にすれば、「そうか、でも私は最近、君の仕事量が多すぎるように感じるんだけど」と、さらに意見を返すことができます。

言葉は武器にもなりますが、凶器にもなります。とくに感情が昂たかぶったときにその場ですぐ口に出す言葉は、相手を深く傷つけます。部下を叱るときは、自分の感情を落ち着かせるために少し時間を置いたり、場所を変えたりするとよいでしょう。

紙に書きながら話すのも効果的な方法です。話のポイントを書いて、相手に見せながら、「私はここが問題だと思うんだけど」と話すことで、冷静に話ができます。

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著者紹介

吉田幸弘(よしだ・ゆきひろ)

リフレッシュコミュニケーションズ代表

1970年、東京都生まれ。大手旅行代理店を経て、学校法人、外資系専門商社、広告代理店で管理職を経験。「怒ってばかりのコミュニケーション」で降格を経験したことからコミュニケーションを学び、2011年に独立。現在はコーチングの手法を駆使し、経営者や中間管理職向けにコンサルティング活動を行なう。

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