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プロが語る「ロゴマーク」の本当の役割とは?

2015年10月26日 公開
2015年10月26日 更新

津久井将信(ビズアップ代表取締役)

ロゴマークの役割〈C〉
「ビジュアル面でどのように統一感を出していけばよいかわかる」

ビジネス上必要なもので、デザインをしなければならないものはたくさんあります。たとえば、名刺、封筒、パンフレット、ホームページ、看板などなどです。また、店舗系のビジネスのお客さまであれば、店舗の内外装のデザインも重要です。

その際に、ロゴマークと弊社からお渡しするロゴカルテ(コンセプトシート)があることにより、ビジュアルに統一感を持たせることが可能です。

「ホームページのイメージは、このロゴと配色に合う基調にしてほしい」「ロゴはこういうコンセプトを元にこんなデザインにしたから、店舗の内外装も同じイメージにしてほしい」

といった依頼ができるようになるからです。

また、きちんとした経験とセンスを持ち合わせたデザイナーであれば、ロゴのデザインを見ただけで「どのようなデザインのツールをつくれば良いか」「どんなデザインにはしてはいけないか」などを汲み取ることができます。

弊社でロゴを作成くださったしらゆり整骨院さまは以下のようなコメントをくださっています。

「店というか、この接骨院を作って行くうえの中心的存在。『核』ですね。院の運営はこうしていこうとか、内装や調度品選びはロゴに合わせてこうしようとか。ロゴがあるお陰で、それが非常に決めやすくなっています」

 

ロゴマークの役割〈D〉
「企業、店舗、商材の信頼度を高める」

一般的にはロゴをつくる上でお客さまが最も期待されていることが、この「信頼度を高める」です。創業当初、私たちが独自に行なったロゴの調査があります。創業当初のもので、質問の甘さ、サンプルの数や質などから、調査結果に若干の甘さがあると思いますが、傾向はつかんでいただけると考えます。

また、以下のような文献もありますので、ご紹介させていただきます。

「チェスキンが行ったテストでは、円形のロゴが入った商品は三角形のロゴよりもよく売れ、紋章のロゴの入った商品は円形のロゴよりも良く売れたという。それほど重要とは思えないロゴの選び方一つをとっても、売上げが増えたり減ったりする。今までに気にしたことがなかったかもしれないが、看板やロゴ、名刺の書体は、売上げに大きな影響力を持っているのである。だからこそ、事業モデルを作る段階では、慎重な検討が行われなければならない。
(マイケル・E・ガーバー著 The E-Myth Revisited: Why Most Small Businesses Don’ t Work and What to Do About It)

いかがでしたでしょうか。ロゴマークだけではブランドの確立はもちろんなしえません。しかし、ブランドに成功した多くの企業がしっかりとしたロゴマークを持っていることも確かですね。

上記の4つの役割に、ぜひ御社のロゴを照らしあわせてみてくださいね。

著者紹介

津久井将信(つくい・まさのぶ)

ビズアップ代表取締役

1976年生まれ、東京都練馬区出身。横浜国立大学経営学部卒。
少年期に人に自分の存在感や存在価値を認めてもらいたいということばかり考えて過ごした結果、存在のシンボル「ロゴマーク」の専門デザイン会社で起業。9年間で業界平均3~5倍の1万以上のクライアントからロゴ作成を受注。あわせて腕が良いのに日の目を浴びないデザイナーを発掘し、テレビ出演を果たしたデザイナーや作品が本に掲載されるほどのデザイナーを多数輩出。

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