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【今週の「気になる本」】『○○○○○○○○殺人事件』

2016年07月08日 公開

早坂吝著/講談社ノベルス

前代未聞の「タイトル当て」ミステリ

主人公はアウトドアが趣味で、ネットを通じて知り合ったグループで毎年オフ会を開いていた。場所は仲間の一人が所有する孤島。今年も無事、島に到着したが、翌日に二人が失踪してしまう。さらには殺人事件まで発生し……。

第50回メフィスト賞受賞作品。ユニークな受賞作が多く、ミステリファンの間で話題になったり、物議を醸したりすることが多い賞だ。本作はタイトル通り、良い意味でそれにふさわしいとんでもない物語だった。

何よりもまず、『○○○○○○○○殺人事件』というタイトルを見て、「なんじゃ、こりゃ」と思われた方が多いのではないか。この○の中には、作中で起こる事件の内容を表わした8文字のことわざが入る。「それを当ててみよう!」というまさかの「タイトル当て」を読者に課した作品なのである。

……と、第一印象では奇抜なだけの内容と思われてしまいそうだが、ミステリとしての内容は、孤島で起こる殺人事件という王道を行くもので、しかも非常にロジカルである。謎解きのメインはタイトル当てではなくむしろ殺人事件なのだが、こちらのトリックにはとにかく驚いた。タイトル当てとも関連するのだが、最後まで読んでその真相とタイトル、両方が判明したときは「やられた!」と悔しい半面「こんなのわかるわけないだろ!」と笑ってしまう爽快感があった。しかし前述のとおり非常にロジカルかつフェアにヒントが提示されているので、注意深く読めばあるいは真相に気づく人もいるのだろうか。

本作の登場人物である上木らいちを主人公とした作品がシリーズ化されており、このあとに2作品刊行されている。どちらもかなり面白かったので、下ネタが極度に嫌いな人以外には、シリーズとしてお勧めである。

 

執筆:THE21編集部 Nao(「小説」担当)

 



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