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30代→40代→50代「磨くべき能力」はどう変わるのか?

2016年10月20日 公開

藤原和博(教育改⾰実践家,元杉並区⽴和⽥中学校・元校⻑)

30代はリクルートでマネージャーとして活躍し、40歳にして独立。47歳で民間校長として公教育の道に進んだ藤原和博氏。各年代で確実な成果とキャリアを積み上げてきた藤原氏に、将来を見据えた30代、40代、50代の生き方と働き方について、アドバイスをいただいた。(取材・構成 長谷川敦 、写真撮影:長谷川博一)

※本稿は『THE21』2016年10月号より一部抜粋・編集したものです

 

1分野でトップになるのは金メダル並みの難関

――年齢が上がり、社内でのポジションも上がるに従って、必要とされる能力も変わってくる。よく言われるのは、30代はプレイヤーとしての能力を磨き、40代でマネジメント、50代で経営戦略を……といったものだろう。

だが、会社の存続すらも不確かな時代、それは古くなってしまった常識かもしれない。むしろ「会社でのポジションなどとは関係なく、自分の価値を自分で高めていくべきだ」と主張するのは、リクルートを経て、現在は教育界で活躍する藤原和博氏だ。

「これからの時代に生き残れるのは、他の人と替えることができない能力を持った『希少性の高い人材』。どうすればそうした人材になれるかを意識しながら、キャリアを積み重ねることが大事です。

そう言うと、多くの人は『今、自分がやっている仕事を極めよう』と考えます。ただ、それは非常に険しい道。たとえるなら、ある競技でオリンピックの金メダリストを目指すようなものです。すさまじい努力だけでなく、天賦の才も必要になります。

では、どうするか。私たちのような凡人はむしろ、『複数の軸』で勝負すべきなのです。

ただ、まずは『この分野についてなら、他の人よりもできる』という軸を、一つ確立すること。たとえば営業職に就いている人なら、『営業についてなら、今、街を歩いている人の中で、自分は百人に一人の能力を持っている』と自他ともに認められるレベルに到達することを目指すのです。これは、30代前半までに実現しておくのが理想。

マルコム・グラッドウェル氏は『天才! 成功する人々の法則』(講談社)という本の中で、才能を開花させるには1万時間の練習量が必要だと述べています。逆に言えば、どんな凡人でも一つのことに1万時間も取り組めば100人に一人のレベルに到達できるということ。1日6時間取り組めば約5年で1万時間ですから、決して非現実的ではありません。

ある分野で『100人に一人』になったと自覚できるようになったら、もう一つ別に『100人に一人』の分野を作ります。すると、100分の1×100分の1で、1万人に一人の人材になれる。これは30代後半から40代前半にかけてのタイミングがベストでしょう。

そして40代半ば以降でさらに、また別の分野で『100人に一人』を目指します。こうして三つの分野で『100人に一人』になれれば、50代に突入したときには、100万人に一人の希少な人材になっているというわけです。

私の場合は、20代のときにリクルートで営業とプレゼンのスキルを、30代ではマネジメントの技術を、『100人に一人』のレベルまで磨きました。そして47歳のときに公立中学校の校長職に転じ、5年間務めた。

これで『営業&プレゼン』と『リクルート流マネジメント』と『公立学校の校長(ノンプロフィット組織のマネジャー)』という、三つの軸を手に入れることができたわけです。

一つずつの分野では100人に一人のレベルでも、それを三つかけあわせれば、誰でも100万人に一人というきわめて希少性の高い人材になれるのです」

 

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50代以降はあえて新たな分野への挑戦を >

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