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頑張ってもお金が増えないのは「ある思い込み」が原因!?

2016年11月29日 公開
2023年05月16日 更新

和泉昭子(生活経済ジャーナリスト)

子供の頃の「思い込み」はそう簡単にはなくならない

子供のころにつくられた「思い込み」は、日を追うごとに強化されていきます。
なぜなら、その後の生活のなかでも、脳が自分の思い込みに合致するエビデンス(証拠)を積極的に引き寄せ続けるからです。

一方、自分の思い込みに合致しない情報は、自分のなかで不整合を起こすため、脳が自動的にデリート(削除)し、自分の内側には取り込まれません。

潜在意識下で信じていることは、表面で意識していること以上に強力な磁石となります。そして意識と潜在意識が相反する場合、脳は潜在意識に従ってしまうのです。

 

ウォール街の金融マンたちが心理学を学ぶ理由

私自身ファイナンシャル・プランナーとして長く活動するなかで、お金に関する知識やスキルだけでは、家計を改善することはできても、「富と成功」を得られるようにすることはできないことに何となく気づいていました。

数々のマネーセミナーや個人相談を行なってきたなかで、いわゆるお金持ちの方とそうでない方の、そもそもの印象の違いを感じていたのです。ただ、その違いがなぜあるのかという理由を明快に説明することができませんでした。

そんななかで出会ったのが、米国で行なわれている『The Wealthy Mind Seminar』というセミナーです(日本では「NLPマネークリニック」と呼ばれています)。もともと疑い深い性格のため、自己啓発セミナーなどいわゆるアヤシイ話には懐疑的でした。ではなぜ、興味を持ったのかといえば、「ウォール街の金融マンたちもこのプログラムを受講している」という事実があったためでした。

ウォール街といえば、世界の金融の中心地です。その街で巨額のマネーを動かす金融のプロたちは、高度なファイナンス理論や最新のテクノロジーを駆使して投資を行なっています。そんな合理性の権化のような人たちが心理学の専門家を頼っているということに興味を持ったのです。

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著者紹介

和泉昭子(いずみ・あきこ)

生活経済ジャーナリスト/ファイナンシャル・プランナー

横浜国立大学卒業後、出版社・放送局を経て、フリーのキャスターに転身。 NHKを中心に、ニュース・情報番組を担当。1995年CFP取得後、現職へ。メディア出演や講演、個人相談などを通じて、マネーに関する情報を発信するほか、(株)プラチナ・コンシェルジュ代表取締役として金融機関や事業会社に対するコンサルティングなどを手がけている。早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了(ファイナンスMBA)。

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