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日本のビジネスマンは真面目すぎる!

2017年12月14日 公開

鈴木 喬(エステー会長)

「1人で休む時間」こそが、アイデアと決断力を生み出す

サラリーマン時代には企業保険のスーパー営業マン、そしてエステー出向後は大ヒット商品を連発し、業績不振だった会社をたちまちV字回復させた鈴木喬氏。猛烈な仕事人の姿が思い浮かぶが、鈴木氏は「さぼれないやつは経営なんてできっこない」と断言する。アイデアマンとしても経営者としても一流の鈴木氏、その休息術についてうかがった。(取材・構成=塚田有香、写真=江藤大作)

 

さぼっているくらいで経営者はちょうどいい

エステーが経営不振に陥っていた19年前に社長に就任し、見事に業績をV字回復させた鈴木喬氏。『消臭ポット』『脱臭炭』などの大ヒット商品を生み出す一方で、不良在庫や商品数を大幅に削減する大胆な経営改革を断行した。そう聞くと、寝食を忘れて猛烈に働くリーダーをイメージするかもしれないが、本人は「経営者はさぼっているくらいでちょうどいい」と笑う。

「経営者がやらなきゃいけないことなんて、本当はそれほど多くない。トップが仕事をすべきなのは、僕が社長になった頃のような危機に会社が直面したときと、絶好のチャンスが飛び込んで来たときだけ。そこで『今からあっちの方向へ進むぞ!』と決断することは、経営者にしかできません。つまり、トップが本当にやるべき仕事は『未来を考えること』なんです。

だからそれ以外の仕事は、他の人に任せればいい。日本の社長は、用もないのに取引先に挨拶に行ってみたり、必要のない会議に顔を出したりと、どうでもいい仕事を増やしすぎです」

そして鈴木氏は、「未来を考えるには、1人になって休息する時間が必要だ」と話す。

「僕は1週間くらいの長期休暇をよく取ります。そして、1人でプールで泳いだり、趣味のスキーやトレッキングに出かけたりして、遊びながら考える。あるいは、マキャベリの『君主論』や『孫子』といった本を読んでは、また考える。会社の中で立場が上になるほど、そういう時間を作らなきゃいけません。リーダーというのは、1人で考えて、1人で決断しなくてはいけない職業なんですから。

こうして1人で考えたことを、僕はいつもレポートにまとめています。『3年後の日本経済はこうなる』『5年後はエステーをこんな会社にしたい』と。この積み重ねがあるから、いざ危機やチャンスが来たときに、どこへ向かうか判断できるわけです」

わざわざ休暇を取らなくても、仕事中に考える時間を設ければいいのではと思うかもしれない。だが鈴木氏の意見は違う。

「仕事を離れて楽しいことやバカバカしいことをやらないと、アイデアなんて出てこない。会議や書類仕事など目先の作業をしながら、長期的な展望なんて考えられませんよ。

今の企業にとって、最も重要な資源は〝アイデア〟です。資本や技術を外から調達するのはさほど難しくない。フェイスブックなんて、別に高度な技術や巨大な資本があるからできたわけではなく、まさにアイデアから生まれた大ヒットビジネスです。そして良いアイデアというのは、プールサイドでぼんやりしているときなんかに出てくるもの。だから僕は、まず遊びの予定を入れる。仕事はその合間に入れればいい(笑)」

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著者紹介

鈴木 喬(すずき・たかし)

エステー〔株〕代表執行役会長(CEO)

1935年、東京生まれ。一橋大学商学部を卒業後、59年に日本生命に入社。企業保険のトップセールスマンとして活躍。85年、エステー㈱に出向。98年、エステー社長に就任。『消臭ポット』『消臭力』『脱臭炭』『米唐番』などのヒットを連発し、2005年3月期には創業以来最高の純利益18億円を達成。売上高も社長就任時から20%伸ばした。現在、エステー㈱取締役会議長 兼 代表執行役会長(CEO)。著書に『社長は少しバカがいい。』(WAVE出版)など。



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