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【今週の「気になる本」】『カンタン刑』

2018年03月23日 公開

式 貴士著/光文社文庫

死刑よりも重い「カンタン刑」とはどんな刑罰?

 

残虐な殺人鬼に科せられた刑罰は、死刑よりも重い「カンタン刑」。カンタンなのに重罰とはこれいかに。果たしてどんな刑罰なのか……?

 

 

 

※※※ここから先、その刑罰に関するネタバレになり得る重大なヒントを含みます。何も知らない状態で読みたい方は、ご注意ください!※※※

 

 

 

※テーマに関するネタバレなしで本書のレビューを書くのはどうしても難しく、このような反則みたいな書き方をしてしまいました。大変申し訳ございません。

 

さて、ヒントは「邯鄲の枕」で「簡単」に、というダジャレ。
本書のテーマは「時間」だ。いつでもどこでも誰にとっても、同じように流れていくはずの「時間」。しかし、しその感覚が大きく違ったら……。時間の感覚を変えることは、相対性理論などから考えれば、科学的にも不可能ではないのかもしれない。
私はこのようなSF作品を読むときに、科学的、社会的に「近未来にあり得る気がするかどうか」という感覚を大事にしているのだが、この本は荒唐無稽なようでいてそのあたりも絶妙だ。

『世にも奇妙な物語』の「懲役30日」や、ネット上で話題になった「5億年ボタン」などがよく似た物語として挙げられるが、こちらのほうが初出ははるかに古く(1979年)、内容も壮絶である。おそらく、グロテスクな描写に不快感を覚える方には耐え難い場面があるので、その点は要注意だ。
ただ、間違いなく名作SFの一つであると思う。ちなみに光文社文庫版は本作を表題作とする短編集で、その他にも面白い短編が詰まっているのでお勧めである。

これは完全に余談だが、上記の「近未来にあり得る気がする社会派SF」やいわゆるディストピアものは、漫画やアニメにも名作が多い。個人的に、漫画では藤子・F・不二雄先生のSF短編集(「定年退食」なんて、この先我々が高齢者になったらこんな社会になるんじゃないかと思える)、アニメでは『PSYCHO-PASSサイコパス』がイチオシだ。

 


執筆:Nao



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