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クールビズで考える「自社のネクタイ化」

2018年05月03日 公開
2023年03月16日 更新

『THE21』編集部

THE21

「ルール」から解き放たれれば、新たな魅力も

ただ一方で、より便利なものが現われたのに、衰退していない業界もある。たとえば携帯がこれだけ発達し、スケジュール管理に便利なアプリが出回っているのに、紙の手帳のニーズは堅調らしい。毎年のように工夫のこらされた新しい手帳も出ている。

「社会人にとって紙の手帳を持ち歩くのはルール」という意識はまだ根強いこともあるだろう。だが、それだけではなさそうだ。手で書いたほうが記憶に残りやすい、俯瞰性に優れているといった機能面はもちろん、さまざまな種類の手帳の中から自分好みのものを選び出すことで個性が発揮できるなど、デジタルにはない価値があるからこそ、紙の手帳は生き残っているのではないだろうか。

「脱ルール」からの復活のヒントはそのあたりにあるのかもしれない。たとえばネクタイなら、「しなくてはならないもの」から、「するといいことがあるもの」に持っていくことができれば、ネクタイのニーズは急拡大するかもしれない(もちろん、業界の人はとっくに考えていることだと思うが)。

最後に、クールビズが導入されてから、筆者はむしろネクタイが好きになった。義務ではなくなると、それは自分が選択すべきものになる。ちょっと変わった柄を買ってみたり、気分に合わせて付け替えたりもし始めた。暑い時はせず、寒い時期に改めて巻くことで、本来の意図である防寒具としての役割も再確認できた。

「しなくてはならないもの」から解放されたことで、新たなイメージ戦略も可能ではないか。あっと驚くような業界の巻き返しに期待したい。

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