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数に強い人は、数字に隠された「ストーリー」を語る!

2018年05月30日 公開

永野裕之(永野数学塾塾長)

ジョブズやキヤノンのトップが語る「数に強い人の本質」とは?

「数字に強い人が成功する」「ビジネスマンは数字力を磨くべき」などとよく言われるが、そもそも「数に強い」とはどういうことなのか。東大、JAXAを経て人気数学塾塾長を務める永野裕之氏は、数字の中にあるストーリーを見つけ出し、行動につなげることこそが「数に強い人」だと主張する。詳しくうかがった。

 

名経営者が語った「定量化の本質」とは?

キヤノンの御手洗冨士夫会長の言葉を引用させてください。これはある雑誌のインタビューで語られた言葉です。

「目標を数字で表現すると、その数字の実現に何をどうすればいいのか、誰がどのような筋書きでどのような仕事をし、それにはどんな場面が必要なのか、方法論としての物語が浮かび上がってくる。……数字なき物語も、物語なき数字も意味はなく、実行も達成もできないでしょう。数字とその実現を約束する物語を示すことで、経営計画の信憑性を高め、市場や株主からの信頼性を確保する。数字力が言葉に信の力を与える」

ここには定量化することの意義が見事にまとめられています。数字は物語を伴って初めて意味を持つのです。そして定量化による「物語」はいつも、比較や変化を表す数字から始まります。

朝、猫がキャットフードを食べたという事実を「午前8時に体重4㎏の猫が50gのキャットフード食べた」と定量化できたとしても、これだけではほとんど何の意味もありません。

午前8時という時刻がいつもと同じなのかどうか、あるいは40gのキャットフードを何分ぐらいで食べきったのかという比較や変化がわかってはじめて、「いつもより1時間遅く朝ご飯をあげたところ、わずか1分で食べ切ってしまった…」というような物語が始まるのです。そしてそこから「とてもお腹を空かせていたのだろう」という仮説が立ち、「お腹を壊すといけないからご飯はできるだけ決まった時間にあげることにしよう」というアクションにも繋がります。

そうです。定量化の真の目的は仮説を組み立て、さらにアクションにまで繋げていくことなのです。比較や変化を示す数字が物語の幕開きなら、アクションこそが物語のエンディングです。

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著者紹介

永野裕之(ながの・ひろゆき)

「永野数学塾」塾長

1974年、東京生まれ。暁星高等学校を経て東京大学理学部地球惑星物理学科卒。同大学院宇宙科学研究所(現JAXA)中退。レストラン経営、ウィーン国立音大への留学を経て、現在は個別指導塾・永野数学塾(大人の数学塾)の塾長を務める。これまでにNHK、日本経済新聞、プレジデント、プレジデントファミリー他、テレビ・ビジネス誌などから多数の取材を受け、週刊東洋経済では「数学に強い塾」として全国3校掲載の1つに選ばれた。プロの指揮者でもある(元東邦音楽大学講師)。著書に『東大教授の父が教えてくれた頭がよくなる勉強法』『数に強くなる本』(PHPエディターズ・グループ)、『大人のための数学勉強法』(ダイヤモンド社)など多数。

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