佐々木俊尚 ヴァーチャルの進化が企業にもたらす変革とは

「VR」は我々の仕事や生活にどんな影響を与えうるのか。テクノロジーについて豊富な知見を持つ作家・ジャーナリストの佐々木俊尚氏にうかがった。
2018年06月29日 公開
趣味の仲間がいる人、また、好奇心や向学心が旺盛な人は、イベントに参加する機会が多いだろう。そんな人にとっては、もうPeatixはお馴染みの存在かもしれない。イベントの主催者と参加者を、インターネット上でマッチングするサービスPeatixがユーザーを増やし続けているのは、いったいなぜなのか? Peatix Japan〔株〕代表取締役の岩井直文氏に取材した。
――Peatixを利用したイベントが多くなったように感じます。
岩井 そう言っていただけると嬉しいですね。イベント数が増えているのはわかっていても、実際のユーザー様にそう感じてもらえるのが一番嬉しいです。
――オフィスに来て驚きましたが、社員数が少ないんですね。
岩井 少人数で頑張っています。ニューヨークとシンガポール、クアラルンプールにも拠点を置いていて、グローバル全体で40人もいません。日本からサービスを始めたので、日本の社員数が一番多いのですが、それでも26人です。
人が少ない代わり、パートナー企業との協力体制やテクノロジーを活用して、サービスを運営しています。
――サービスの開始が2011年5月。現在、どれだけの人が利用しているのでしょうか?
岩井 ユーザー数が280万人強、イベント主催者数が8万人強になっています。
――なぜ、そんなに伸びたのですか?
岩井 スタートアップでも大きく広告を打つ企業が少なくありませんが、当社は、広告も含めて、営業活動はごく一部しかしていません。
イベント主催者がPeatixを使うきっかけは、8割が口コミです。そのうち半数は、Peatixを利用したイベントに参加したことで、Peatixを知った方です。そういった実体験や口コミでユーザー数が伸びていきました。
――口コミで広がるということは、ユーザーやイベント主催者の満足度が高いということだと思います。どのようにして、満足度を高めているのですか?
岩井 月並みな言い方になりますが、ユーザーの声を聞くことに尽きます。
もちろんアンケートも取っていますし、カスタマーサポートにいただいた声も聞いていますし、ユーザーがどの画面をよく見ていて、どの画面から先に進まなくなっているのかなどのデータも分析しています。
ただし、ユーザーの声を、そのまますぐに反映することはせず、慎重に検討しています。特に気をつけているのは、複雑化しないこと。できるだけシンプルなインターフェイスにこだわっています。
というのは、日本だけでなく、世界での展開を前提にしたサービスだからです。様々な文化の人たちに使っていただくためには、シンプルでなければなりません。
サービスを始めて2年目に海外に進出したのですが、すると海外の方から「わかりづらい」という声を多くいただきました。そこで、抜本的にデザインを変えることにしました。ニューヨークに拠点を置いているのは、優秀なデザイナーが多いのも理由です。
今は特にアジアでのユーザー数の伸びが大きいのですが、それもインターフェイスがシンプルだからだと思います。
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企業イベントへの集客支援のニーズが高まっている >
「VR」は我々の仕事や生活にどんな影響を与えうるのか。テクノロジーについて豊富な知見を持つ作家・ジャーナリストの佐々木俊尚氏にうかがった。
ヴァーチャルないしデジタルは、ウィズコロナの社会に欠かせないものとなっています。その発展はますます、ビジネスの可能性を広げることでしょう。
2020年はまさに「コロナ」に振り回された年だった。多くの企業が危機に陥り、厳しい状況は今も続いている。だが、経営コンサルタントとして数多くの企業を指導している小宮一慶氏によれば、この厳しい状況を飛躍のバネとしている企業も多いという。
「仲がいい企業と協力した」ことを示すコラボは、ブランドの新たな価値になる
商人には好況不況はない、何(いず)れにしても儲けねばならぬ。松下幸之助はに危機をいかにして克服してきたのか。
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