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BXD「enzaで新しいゲーム体験を作る」

2018年07月07日 公開

【経営トップに聞く】手塚晃司(BXD社長)

【連載 経営トップに聞く】第4回 〔株〕BXD代表取締役社長 手塚晃司

 〔株〕バンダイナムコエンターテインメントと〔株〕ドリコムが出資して、昨年設立された〔株〕BXD。今年4月、同社がリリースしたスマートフォン向けゲーム『アイドルマスター シャイニーカラーズ』は、アプリではなく、ブラウザで遊ぶものだ。5月にプレオープンした『ドラゴンボールZ ブッチギリマッチ』も同様。ともに、同社が開発した「enza」というプラットフォーム使用している。
「enza」とは、いったい何なのか? なぜ、今、ブラウザゲームなのか? BXD社長の手塚晃司氏に取材した。

 

HTML5を使ってゲーム市場の厚みを増す

 ――会社設立の経緯から伺いたいと思います。まず、BXDという社名ですが、バンダイナムコのBとドリコムのDから?

手塚 そう言われることが多いですし、その意味もあるのですが、「Breakthrough × Digital Life」、つまり、デジタルを含めた新しい日常生活に向けての突破口になりたい、という想いを込めた社名です。

 ――なぜ、新会社を設立することになったのでしょうか?

手塚 オンラインゲームのプラットフォームの主役がグリーやモバゲーだった6~7年前から、ドリコムとバンダイナムコは付き合いがあって、私も、バンダイナムコ側の人間として、ドリコムさんと一緒に仕事をしていました。

 その後、ネイティブアプリの時代へと、プラットフォームの主役が変わりました。では、その次の時代に期待できる、あるいは、求められる技術は何だろうかということを、それぞれの社内で検討していて、会食や飲み会、仕事の合い間などで、ドリコムの内藤さん(ドリコム社長・内藤裕紀氏)と私の間でも話をしていたんです。

 その中で、「HTML5に興味があって、技術研究をしているんですよね」という話をしたら、ドリコムさんも同じようにHTML5に可能性を感じていることがわかりました。

 そこで、『ONE PIECE トレジャークルーズ』という人気のネイティブアプリのゲームをHTML5でどこまで再現できるのか、ドリコムさんが試験的にやってみることになりました。すると、ほとんどネイティブアプリと変わらないものができたんです。これだけリッチな表現ができるのなら、HTML5を使った新しいゲームの可能性が広がるな、ということになり、「HTML5に最適なゲームとは何だろうか」ということを両社で検討し始めた、というのがBXDの始まりです。

 ――HTML5とは何なのでしょう?

手塚 まず、HTMLというのは、ウェブページを表示するための技術で、世界共通の規格です。皆さんが普通にご覧になっているホームページは、HTMLで構成されています。そのバージョン5がHTML5で、音や映像をリッチに表現できるのが特長です。

 ――アプリゲームの前はブラウザゲームが主流でしたが、またブラウザゲームに戻るということですか?

手塚 以前、ブラウザゲームが主流だったのは、お客様が最もアクセスしやすいのがブラウザだったからです。App StoreやGoogle Playが登場すると、ネイティブアプリのほうが、ゲーム性の高い、面白いゲームができるということで、一気にネイティブシフトが起きました。4~5年前のことです。

 当時の端末は同時に多くのデータを取り扱うことができなかったので、ブラウザゲームではリッチな表現ができませんでした。その後、端末の性能が上がったことで、HTML5を使ったブラウザゲームを、端末で楽しんでもらえるようになったのです。

 ただし、「ブラウザゲームに戻る」というわけではなく、HTML5に最適なゲームを作ることで、「ゲーム市場の厚みを増す」取り組みにしたいと考えています。

 私はバンダイナムコエンターテインメントのゼネラルプロデューサーも務めていて、そちらでは、ネイティブアプリの事業をこれからも続けていきます。例えば、3Dなどの表現は、まだネイティブアプリのほうが適しています。

 最近だと、『ドラゴンボール レジェンズ』という、世界中でご好評をいただいているネイティブアプリのゲームがあるのですが、家庭用ゲーム機に近しい表現ができるようになっています。どちらかと言うと、腰を据えて遊んでいただけるようなゲームが、ネイティブアプリで増えてくると思います。

 一方、ブラウザゲームの良さは、より手軽に遊べることです。友達からLINEで「これ面白いよ」とURLが送られてくれば、それをタップするだけでゲームを始められます。ストアに行って、検索して、ダウンロードやインストールをする、といったことは必要ありません。

 こうしたそれぞれの特性に応じたゲームを並行して作っていきます。その中で、BXDはブラウザゲームのほうに特化する、ということです。

 ――BXDとしては、遊び勝手の良さを追求していく?

手塚 ネイティブアプリはプレイステーションのように家に置いてじっくり遊ぶもので、ブラウザゲームはニンテンドー3DSのように持ち歩いて遊ぶもの、というイメージでしょうか。どちらもゲームとして成立していますが、遊び方は違いますよね。

 

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著者紹介

手塚晃司(てづか・こうじ)

〔株〕BXD代表取締役社長

1975年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ゲーム会社を経て、2003年にバンダイネットワークス〔株〕入社。合併に伴い、09年に〔株〕バンダイナムコゲームス(現・〔株〕バンダイナムコエンターテインメント)へ転籍入社。『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』『ONE PIECE トレジャークルーズ』『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストシューターズ』『キングダム セブンフラッグス』などのスマートフォンアプリをプロデュースするプロダクションの責任者を歴任。17年8月に〔株〕BXDを設立し、代表取締役社長に就任。バンダイナムコエンターテインメントのスマートフォンアプリ事業のゼネラルプロデューサーも務める。

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