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人口減少に悩む能登・七尾の4事業者が東京・渋谷で後継者を募集

2018年07月25日 公開

THE21編集部

市の第3セクターと転職サイト運営会社がイベントを開催


イベントに登壇した石川県七尾市の4事業者の代表。左から、湯川温泉 龍王閣の髙森龍夫氏、道田農園の道田照雄氏、天池合繊の天池源受氏、野の花の本田雄志氏

 

 少子高齢化が進む日本。特に地方の状況は深刻だ。事業は黒字なのに、人手不足で後継者がおらず、やむなく廃業している事業者も数多い。能登半島の中央部に位置する石川県七尾市も、後継者に悩む事業者が多くいる自治体の一つだ。

 

 7月24日(火)、七尾市の4事業者が後継者を募集するイベントが、東京都渋谷区にある転職サイト運営会社・〔株〕ビズリーチ本社で開催された。ヨーロッパのハイブランドにも採用されている世界最軽量の生地を製造・販売する天池合繊〔株〕や、味も価格もマツタケを上回る高級シイタケを生産・販売する道田農園など、4事業者はいずれも優良事業者だが、後継者不足という問題を抱えており、集まった32人の参加者にそれぞれの事業の魅力を伝えた。

 七尾市の今年6月の人口は約5万3,200人。2004年に1市3町が合併して現在の七尾市ができてから、約1万500人減少した。また、65歳以上が人口の約36%、75歳以上が約18%を占めており、高齢化も進んでいる。

 企業の数は、毎年20社弱が創業する一方で、約70社が廃業・倒産しており、差し引き50社強ずつ減っている。その中には、黒字にもかかわらず、後継者が見つからないために廃業する企業が少なくないという。

 ビズリーチは、事業承継の方法として、(1)親族内承継(役員への承継を含む)、(2)外部人材の登用、(3)事業承継M&Aの3つがあるとしているが、七尾市と市内事業者が株主の第3セクター・七尾街づくりセンター〔株〕の友田景氏は、「親族に後継者がいないと、取引きのある銀行にも相談せずに、廃業を決めてしまう事業者が多い」と話す。そのうえで、親族内承継以外の方法もあることを知ってもらうことが重要だとする。

 そこで七尾市は、「(2)外部人材の登用」を進めるため、7月24日、ビズリーチが運営する求人検索エンジン『スタンバイ』の中に同市の特集ページを開設し、まずは市内5事業者の次期社長候補や幹部候補などの募集情報を掲載した(掲載する事業者数は、今後、増える予定)。同日にビズリーチ本社で開催されたイベントに登壇した4事業者は、この5事業者に含まれている。

 イベントには、七尾市副市長の岡野崇氏と、七尾市へ移住してイタリア料理店『Villa della Pace』をオープンした平田明珠氏も登壇し、同市の魅力などをアピールした。

 ビズリーチは、「(3)事業継承M&A」についても、希望があれば『ビズリーチ・サクシード』というサービスで支援する。これは、企業や事業の概要を匿名で登録すると、企業(株式)の譲り受けを検討している企業が検索して閲覧できるもの。登録は企業の譲渡を前提としたものではなく、「どんな企業が興味を持っているのかを知るための、いわば『会社の健康診断』として使っていただければ」と担当者は話す。

 すでに「能登半島・七尾移住計画」などの取り組みを進めており、年間約100人が移住するという実績を出している七尾市。事業承継を支援するため、金融機関や経済団体、行政、士業などの23機関が組織した官民ネットワーク「事業承継オーケストラ」も、今年2月に発足した。どれだけの企業を後継者不足による廃業から救えるか、注目される。



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