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KLab・真田哲弥CEO 経営者としての再出発のきっかけになった1年

2018年09月11日 公開

真田哲弥(KLab CEO)

33歳で経験した初めての会社員生活

 創業2年で売上げ5億円超を成し遂げた学生起業家として名を馳せた真田氏は、その後も起業を繰り返し、現在はゲーム事業を中心とする東証1部上場のIT企業・KLabを率いている。しかし、その間にたどった道のりは平坦ではなかった。苦難の中、人生が変わった出来事とは?

 

 大学を中退し、単身上京してから、ダイヤルQ2で情報を配信するビジネスを立ち上げました。創業2年目で40億円くらいの売上げになりましたが、悪質業者が参入したことで市場が荒れ、破綻に追い込まれてしまいました。

 個人で17億円もの債務を抱えることになったのですが、親の家や土地を担保に借入れをしていたので、自己破産をすると親が路頭に迷ってしまう。そこで、債務減免交渉をしながら、自営に近い形で複数の会社を経営したり、売却したりして、返済していきました。

 そんな中、1995年に『Windows95』が発売され、「これからはインターネットの時代だ」と言われるようになりました。翌年にはヤフー、翌々年には楽天が創業しています。

 私もインターネットを使ったビジネスアイデアを書き出していましたが、アイデアはいくらあっても、それを実現する方法がわかりませんでした。本を読んでも、技術的なことがわからない。

 そこで、「勉強するには、インターネットの最先端を行く会社に入るしかない」と思い、債務も1,000万円以下になって完済の目処が見えていたので、アクセスの入社面接を受けることにしました。33歳のときです。

 それまで私は、社長しかやったことがありませんでしたから、初めての会社員生活です。

 当時のアクセスは社員数が40~50人のベンチャーで、私が初めての文系社員でした。他は皆、エンジニアです。

 アクセスに在籍したのは、結局1年ほどでした。その間ほとんど会社に泊まり、ほとんど寝ず、とにかく勉強をして、営業として走り回りました。

 技術がまったくわからなかったのに、CPUベンダーに対して「我が社のTCP/IPは他社よりもここが優れています」なんていう専門的な話をするようになったのですから、今から振り返ると、自分でも驚きますね(笑)。

 iモードのシステム全体を受注したり、携帯電話端末の各メーカーを束ねるプロジェクトマネジメントをしたりするうちに、インターネットのインフラが整えば、次はコンテンツが求められると考えるようになりました。

 そこで、社長にコンテンツ事業を始める提案をしたものの、エンジニアの会社なのでOKが出ず、独立を決意したのです。

 とはいえ、私はまだ債務が残っていて、クレジットカードも作れない状態でしたから、資金を用意してくれる人と、社長になってくれる人が必要でした。

 誰かいないかと探していると、友人の結婚式で10年ぶりくらいに会った堀(主知ロバート)さんが、その両方を引き受けてくれました。そうして創業したのが、サイバードでした。

 私が今、こうしてIT企業を経営できているのは、すべてアクセスで学ばせていただいたおかげです。まさに、ターニング・ポイントとなった1年でした。

《『THE21』2018年9月号より》


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著者紹介

真田哲弥(さなだ・てつや)

KLab〔株〕代表取締役会長兼社長 CEO

1964年、大阪府生まれ。関西学院大学在学中にマイライセンス(〔株〕リョーマ)を起業。大学中退後、〔株〕ダイヤルキューネットワークを設立。その後、〔株〕アクセス(現・〔株〕ACCESS)勤務を経て、98年に堀主知ロバート氏らとともに〔株〕サイバードを設立。2000年に、そのR&D部門として〔株〕ケイ・ラボラトリー(現・KLab〔株〕)を設立し、代表取締役社長CEOに就任。

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