【今週の「気になる本」】『デザインが楽しい! 地図の本』

実用性から解放されると、地図はこんなに面白くなる

いわゆる「地図好き」の人、意外と多いと思います。

かくいう私もその一人で、街中で、あるいは本や雑誌の中で地図を見かけると、ついつい細部まで見入ってしまいます。

最近は悪いことに「グーグルマップ」なるツールが現われ、訪問先へのルートを検索するだけのつもりが、気が付くと小一時間経っていたりします。まさに時間泥棒。

このように、地図は元々「実用性」とともに、「嗜好性」も兼ね備えたものだったと思います。

そして本書は、その嗜好性のところに思い切りフォーカスした本。

世界のデザイナーたちが手掛けた、遊び心あるユニークな地図を集めた一冊です。

イラストを多用したオシャレな地図もいいのですが、シンプルかつ幾何学的にまとめられたものも面白い。

私が思わず「おおっ」と声を上げてしまったのが、あるデザイナーによるソウルの地下鉄路線図。路線と各駅がすべて円になるように収められていて、まるで韓国国旗の太極（陰陽を表わす円）のよう。

あるいは、子供向けにすべてアイコンのみで作られたニューヨークのマップなどは、元になった建物と照らし合わせながら、宝探しのように楽しめそうです。

現物を見せないとなかなか魅力が伝わらないので、気になる方は是非ご購入を。決して安くはありませんが……。

執筆：Ｙ村