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「興味がない人」すら惹きつける!人気講師の説明法

2018年12月13日 公開

犬塚壮志(士教育代表取締役)

「IKPOLET法」で、誰でも話し上手になれる!

説明上手でないと務まらない職業の代表格に、塾や予備校の先生がある。話題のベストセラー『頭のいい説明は型で決まる』の著者で、元・駿台予備校人気ナンバーワン講師として知られる犬塚壮志氏は、生徒たちが興味を持って聴く姿勢になるような講義をするために、様々な工夫を凝らしていたという。その具体的な方法論についてうかがった。(取材・構成=林加愛)

 

「相手は自分の話に興味がない」が大前提

脳科学の研究によると、「わかった!」という気持ちに到達したとき、脳内ではドーパミンなどの快楽物質が分泌されるのだそう。つまり、的確な説明によって物事を理解してもらうことは、相手を気持ちよくさせるものであり、ひいては「面白い」ものなのです。「説明力が高い人」とは、間違いなく「話が面白い人」だと言えるでしょう。

これは長年、進学塾の仕事に携わる中で実感してきたことでもあります。生徒を「わかった!」に導けるか否か――授業は毎回、その勝負の場です。

では「わかる」とは一体どういうことでしょうか。それは、相手がすでに持っている知識に、こちらがもたらす情報が「つながる」こと。説明とは、この連結作業です。

この作業を成功させるには順序が必要です。私はそれを「IKPOLET法」として定式化しています(後述)。その話をするにあたり、まずは大前提としての心得をお話ししましょう。

最初に、「相手は自分の話について知識も興味もない」という認識が話し手には必要です。私は「受験勉強」という、ときに退屈な内容を伝えるにあたり、常にこの前提に立ってきました。ビジネスマンの方々も同じです。部下への指示でも商品の売り込みでも、「興味を持ってくれているはず」という楽観は禁物です。

一方、ビジネスは受験と違い、コンテンツをこちら側でつくれるのが利点。そのコンテンツ自体を磨き上げておくことも、不可欠な大前提です。営業職の方なら、商品のメカニズムと目的――それがどんなもので、誰のため・何のためにつくられたか、自信をもって語れるようにしておきたいところです。

 

相手の表情を見て知識レベルをつかむ

説明を始める際は、冒頭で「興味を引く」ことが必須。それにはいくつかの方法があります。

例えば塾講師が言う「ここ試験に出るよ!」は、典型的な殺し文句。「知らないと損」もしくは「知っておくと得」という直接的アプローチは、ビジネスにも大いに応用できます。また「ここだけの話……」といった秘密の提示や、「御社だからこそお話しするのですが」と特別感を際立たせるのも有効です。 

ただし、もし相手がすでに興味を持っているならこのプロセスは不要。次の段階である「相手の知識の度合い」を確認する作業に移りましょう。

授業で言えば、「ここ、学校でもう習った?」という問いかけ、商談ならば、「○○についてお聞きになったことはありますか?」という質問。こうしていくつかのキーワードを投げかけつつ、相手の反応や表情を観察して推し量ります。

ここで注意したいのが専門用語や略語。社内で使い慣れた表現でも、相手が少しでも「わからない」顔を見せたら、注釈をつけたり易しい表現へ切り替えたりするのが得策です。

併せて知っておきたいのは、相手の「ニーズの形」です。

私は企業研修の際、「最終的な理想像」を事前にじっくり聞きます。先方が望む「社員にできるようになってほしいこと」「目指す状態」をとことん具体的に聴き取ります。こうして「相手が今知らない・持っていない部分」をつかんでこそ、それに応じた提案や説明ができるのです。

次は、こちらから新しい情報をもたらす段階。その話が相手にもたらすもの=目的を伝え、次いで説明の大枠を話します。このように、詳しい内容の前に「ゴール・結論」を示すことも、わかりやすさの条件です。

 

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著者紹介

犬塚壮志(いぬつか・まさし)

 (株)士教育代表取締役/コンピテンシー・ブランドプロデューサー

福岡県久留米市生まれ。元駿台予備学校化学科講師。業界最難関といわれている駿台予備学校の採用試験に25才の若さで合格。駿台予備校時代に開発したオリジナル講座は、開講初年度で申込当日に即日満員御礼となり、キャンセル待ちがでるほどの大盛況ぶり。その講座は3,000人以上を動員する超人気講座となり、季節講習会の化学受講者数は予備校業界で日本一となる。「教育業界における価値協創こそがこれからの日本を元気にする」をモットーとし、講師自身の「コア・コンピテンシー」を最大限に生かした社会人向けビジネスセミナーの開発や講座デザイン、テキスト作成などを請け負う事業を興す。予備校講師時代の経験を生かし、自分ブランドを活用した教育プログラムをビジネスパーソンや経営者に向け実践中。また,企業向け研修講師としても登壇し、さらに企業研修そのものをプロデュースするビジネスもスタートさせる。その傍ら、東京大学大学院で「学習環境」をテーマとした研究も行う。主な著書に、3.5万部越えのベストセラーとなった『頭のいい説明は型で決まる』(PHP研究所)、『偏差値24でも、中高年でも、お金がなくても、今から医者になる法』(KADOKAWA)などがある。

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