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人手不足の時代に必須の「生産性アップ」のコツ

2018年12月10日 公開
2023年03月14日 更新

<連載>10年後も生き残るために明日からできる仕事のコツ(2) 河野英太郎(グロービス経営大学院客員准教授)

 

コツ7 「電話で確認」を躊躇しない

 生産性を上げるためには、上司や取引先からの手戻りを減らすことも重要です。

 いくら他の部分で効率化を図っても、提出した成果物にあれこれと修正が入り、何度もやり直しをしていれば、生産性が大幅に低下してしまいます。微調整ではなく、方向性そのものが間違っていて丸ごとやり直しになったら、膨大な時間のロスです。

 それを防ぐため、作業の途中で上司や取引先とこまめにコミュニケーションを取り、方向性が間違っていないかを確認しましょう。

 そのときは、メールではなく、対面、もしくは電話をお勧めします。そのほうが待たずに済むからです。

「相手の時間を奪うことになるかもしれない」などと言って電話をかけない人がいますが、取引先でも、名刺に電話番号が書いてあるなら、電話をかけていいということ。遠慮することはありません。

「電話をかけるのが怖い」という人もいますが、頑張って慣れましょう。電話は仕事の効率をグンと上げます。

 もし、あなたが上司や発注元なら、部下や発注先に仕事を投げっぱなしにするのではなく、こまめに確認を取りましょう。確認をするだけでなく、その都度、一緒に考えるようにすれば、大きな修正は発生しにくくなります。

 自分の仕事が手一杯で、つい確認が疎かになりがちですが、むしろ確認を優先したほうが、トータルの生産性が上がるはずです。

 

コツ8 資料はイチから作らない

 仕事の時間を減らすためには、周囲の人の力を有効活用することも大切です。

 資料を作成するにしても、似たような資料を周囲の人が作っていることはよくあります。そこで、「こんな資料を作ったことはありませんか?」とひと声かければ、自分でイチから作らずに済んで、大幅に時間を節約できます。

 たとえ忙しそうな人だとしても、遠慮しないで声をかけるべきです。時間が節約できたぶん、その人の仕事を手伝えば、お互いにメリットがあるはずですから。

 

《取材・構成:杉山直隆 写真撮影:永井 浩》
《『THE21』2019年1月号より》

著者紹介

河野英太郎(こうの・えいたろう)

日本アイ・ビー・エム部長/Eight Arrows代表取締役/グロービス経営大学院客員准教授

1973年、岐阜県生まれ。東京大学文学部卒業。同大学水泳部主将。グロービス経営大学院修了(MBA)。〔株〕電通、アンダーセンコンサルティング〔株〕(現・アクセンチュア〔株〕)などを経て、日本アイ・ビー・エム〔株〕にて、コンサルティングサービス、人事部門、専務補佐、若手育成部門リーダー、サービス営業などを歴任。2017年に〔株〕Eight Arrowsを起業し、代表取締役に就任。著書に、ベストセラーとなった『99%の人がしていない たった1%の仕事のコツ』『99%の人がしていない たった1%のリーダーのコツ』(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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