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言葉を使わず心をつかむ!「非言語コミュニケーション」の威力

2019年01月21日 公開
2023年03月10日 更新

松橋良紀(コミュニケーション総合研究所代表理事)

 

相手と「息を合わせる」簡単な方法とは?

 ペーシングには、

1. ボディランゲージを合わせる
2. 呼吸を合わせる
3. 声の調子を合わせる
4. 言葉を合わせる

 の四つがあります。

 1.のボディランゲージは、姿勢や手の動き、表情など、身体の使い方のことです。例えば、相手の姿勢が良ければ自分も背筋をピンと伸ばし、相手が猫背なら自分も猫背になる、というようにするわけです。

 ただし、あまりにあからさまに真似をして相手に気づかれると、確実に不審がられますから、注意してください。

 また、相手がふんぞり返っていたり、腕や脚を組んだりしているからといって、自分も同じことをやってしまうと、当然ながら失礼に当たります。

 こうした場合は、「小さく合わせる」というテクニックを使ってください。例えば、相手が腕を組んでいるのなら、自分はテーブルの上で軽く指を組む。相手が脚を組んでいたら、自分は足首だけを組む、というようにするのです。

 2.の呼吸は、相手と合わせるのが難しいかもしれません。その場合は、相手のアゴに注目してください。

 人は、小刻みに浅い呼吸をしているときは、アゴも小刻みに動きます。逆に、深くゆっくりと呼吸をしていると、アゴの動きもゆっくりです。

 相手のアゴの動きを見て、小刻みに動いていれば自分も小刻みに動かし、ゆっくりと動いていれば自分もゆっくり動かす。そうしていると、自然と、自分の呼吸が相手に合っていきます。

 また、人は、話しているときは息を吐き、息が続かなくなると、ちょっと沈黙して息を吸ってから、また息を吐きながら話します。そこで、相手が話しているときは自分も息を吐き、相手が息継ぎをしているときは自分も息を吸うことでも、呼吸が合ってきます。

 息を合わせることで、まさに「息の合う関係」になれるのです。

 

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著者紹介

松橋良紀(まつはし・よしのり)

コミュニケーション総合研究所代表理事

1964年、青森県生まれ。高校卒業後にギタリストを目指して上京するもかなわず、26歳から訪問販売営業を始める。しかし、3年間かかっても結果を出せず、クビ寸前に。救いを求めて通い始めたカウンセラー養成講座でNLP心理学を知り、翌月からトップセールスとなる。営業研修や能力開発の講師を経験後に独立し、コミュニケーション総合研究所を設立。『話さなくても相手がどんどんしゃべりだす「聞くだけ」会話術』(ダイヤモンド社)など、著書多数。

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