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サマリー「スマホ収納サービスとして荷物を預かるだけでなく、データとしても活用する」

2019年02月07日 公開

【経営トップに聞く】山本憲資(サマリー社長)

【連載 経営トップに聞く】第13回 〔株〕サマリー代表取締役社長 山本憲資

 

 年4~8%で拡大を続けているトランクルーム市場。2020年には約700億円の規模になると予測されている。その市場に2015年に参入し、『サマリーポケット』というサービスを展開しているのが、〔株〕サマリーだ。2010年に創業し、モノのSNS『Sumally』も運営している同社は、『サマリーポケット』で何を目指しているのか? 創業社長の山本憲資氏に聞いた。

 

簡単・便利で安価なトランクルームを実現

 ――他社のトランクルームとは違う、『サマリーポケット』の特長はなんでしょうか?

山本 まず、すべてをスマホで管理できることです。

 スマホアプリやPCから申し込んでいただくと、無料で専用ボックスと着払い伝票をお送りしますので、ご自身で荷物を倉庫まで運んでいただく必要がありません。

 また、倉庫にお送りいただいた荷物は、1点ずつスタッフが写真撮影し、ウェブでご覧いただける状態にしますので、何を預けているのかがひと目でわかります。オプションサービスとして、衣類をハンガーにかけた状態で保管することもできます。もちろん、倉庫内の温度や湿度は、24時間365日、徹底管理しています。

 倉庫に保管しておくだけでなく、預けていただいた衣類や布団をクリーニングしたり、靴を修理したり、不要なものを『ヤフオク!』に完全匿名で代行出品したりするサービスも提供しています。

 ――月額保管料も、スタンダードプランのレギュラーボックス(幅38センチ×奥行38センチ×高さ38センチ)で1箱300円(税別)と、安いですね。

山本 すぐに使い始めるハードルを下げて、長期間、利用していただくことを考えています。

 ――利用者には、どんな人が多いのでしょうか?

山本 居住スペースが狭い、都心部のマンションで暮らしている人が多いですね。年代は20~50代と幅広いです。

 ――利用者を増やすための施策は?

山本 ウェブ広告を出している他、他企業との提携での協業も多数展開しています。

 例えば、エイブル引越サービス〔株〕で引越しをする方には、引越し用の段ボールをそのまま利用していただけますし、『きものやまと』の店頭で着物の保管に適した専用ボックスを申し込んでいただいて、着物を預けていただくこともできます。

 また、スノーピークの直営店やオンラインストアで『野あそびキャンプストレージカード』というプリペイドカードを購入していただくと、専用の段ボール箱を使って、アウトドア用品を保管していただくことができます。

 ――利用者の伸びは予想通り?

山本 当初はユーザーの獲得に様々な試行錯誤を繰り返しましたが、今はそうですね。前年同月比で約5倍になっていて、当社の中心的な事業になっています。

 ――『サマリーポケット』で預けた荷物は、寺田倉庫が管理する倉庫に保管されます。寺田倉庫と提携した経緯は?

山本 当社は、『サマリーポケット』を始める前から、『Sumally』という「モノのSNS」を運営しています。これは、持っているモノと欲しいモノの情報をシェアして、売買もできるプラットフォームで、約100万人のユーザーがいます。

 CtoCでモノを売買するプラットフォームは数多く登場していますが、そこで行なわれている取引きの中には、売り手がモノの価値を知らずに安く値付けをしてしまい、買い手と、手数料を取るプラットフォームだけが得をしているものが、一定の割合であります。売り手も買い手も納得できる値付けをするためには、証券取引所での株の売買のように、いくらで買いたい人がどれだけいて、いくらで売りたい人がどれだけいるかの情報が、誰にでもわかるようにする必要がある。そう考えて運営しているのが『Sumally』です。

 寺田倉庫とは、当初、「倉庫に預かっている荷物をデータ化して、その情報を『Sumally』に公開してはどうか」というようなお話をしていて、話し合いを重ねる中から、『サマリーポケット』が生まれました。

 ――トランクルームを手がけている他社が、『サマリーポケット』のようなサービスを始める可能性については、どう考えていますか?

山本 もし始めたら、自社の既存のサービスよりも安くて便利なので、既存のサービスからユーザーが移ることになるでしょう。すると、会社全体としての売上げや利益が下がります。ですから、既存のトランクルームが伸びている現状では、他のトランクルーム会社が『サマリーポケット』のようなサービスを始める可能性は低いと思います。

 また、この事業を始めるには数十億円規模の投資が必要なので、参入障壁が高いのです。それだけの大きなリスクを取ることは、他のトランクルーム会社や倉庫会社はしないのではないでしょうか。寺田倉庫ほど個品管理能力が高い倉庫会社も限られています。

 当社は、他社が参入してこないうちに、先行者利益を積み上げていきたいと考えています。

 ――最後に、今後の展開として考えていることを教えてください。

山本 今は不要なモノを『ヤフオク!』に代行出品するサービスを提供していますが、将来的には、『Sumally』上でも売れるようにしたいですね。『Sumally』は、「こういうモノを持っているのなら、こういうモノが欲しいんじゃないですか」というレコメンド機能がついたCtoCのプラットフォームに進化させていきたいと思っています。

 当面の目標としては、2019年のうちに、預かっている荷物の数を、今より1桁分増やしたいですね。

 

《写真撮影:まるやゆういち》



著者紹介

山本憲資(やまもと・けんすけ)

〔株〕サマリー代表取締役社長

1981年、兵庫県生まれ。一橋大学商学部でゲーム理論を専攻した後、〔株〕電通に入社。その後、コンデナスト・ジャパンに転職し、雑誌『GQ JAPAN』の編集者に。テック系からライフスタイル、ファッションまで幅広いジャンルの企画を担当。2010年4月に独立し、〔株〕サマリーを設立。

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