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時代を超えて求められる「人を大事にする」経営

2019年01月21日 公開

《PR》提供:城北化学工業株式会社

先は読めない。だから「ダム」を作る

佐藤 御社の経営のユニークな点として、「あえて多くの在庫を持つ」ことがありますよね。
なるべく在庫を持たない「ジャストインタイム」などがもてはやされる中、非常に珍しい。

大田 これは私が「世の中の先を読むことは不可能」だと考えているからです。特にトランプ政権の誕生後は、世界の動きがより読みにくくなっています。
でも、「わからない」では経営者失格です。だからこそ、何が起きてもいいように準備をしておくのです。ある日突然中国からの部品の供給がストップし、製品が作れなくなってしまったら、弊社のお客様に多大な迷惑をかけてしまいます。だから、しばらくは大丈夫なように、在庫を持っておく。

佐藤 大田社長が実践されていることはまさに、幸之助が言うところの「ダム経営」ですね。
いつ起こるかわからない不測の事態に備えて、雨が降っているうちにダムに水を貯めておくという発想で、お金のダム、在庫のダムなどさまざまなダムを作ることが必要だと言っています。

大田 今はこうしたゆとりが、日本の経営から消えているように思います。「スピード経営」という名のもとに、目先ばかり見て判断しようとする。
典型的なのが、リーマンショックの際に多くのメーカーが行なった、製造員のリストラです。
確かにリストラは、1人切れば1000万円、5人で5000万円など、効果がわかりやすい。
ただ、結局リーマンショックの影響は半年くらいで収まり、その後需要も反転しました。このときに製造員のリストラを行なった会社は対応できず、回復が遅れることとなりました。
 

「人」だけは決して切ってはいけない

佐藤 それで思い出したのが、昭和4年の「昭和恐慌」の際のこと。松下電器も経営難に陥り、工員削減を検討しなくてはならないところまで追いつめられました。実際、幹部が人員を半減する他ないと進言したのですが、幸之助は首を縦に振らなかった。
1人も解雇してはならないと言って、工場を半日勤務にして生産を半減するが、給料は全額支給するという判断をしたのです。
そのかわり、社員は休日を返上し、一丸となって在庫を売っていった。その結果、大量にあった在庫は2カ月でなくなり、工場はフル操業でも間に合わないという状態になったのです。

大田 やはり製造業は人を切ったらダメだということですね。
そもそも、私は企業の社会的責任として、「我々が作る製品を、途切れることなく提供すること」が重要だと考えています。

佐藤 幸之助は企業の社会的責任について「本業で世の中に貢献すること」「利益をあげて税金として社会に貢献すること」「環境も含めた社会との調和」と言っていますが、まさに「本業で世の中に貢献すること」ですね。

大田 我々が扱っている製品の中には「これがないとモノが作れない」というものがいくつもあります。それだけに責任は重大だと考えています。
 

欧米の理論を鵜呑みにしない

佐藤 御社が扱う製品は多品種ですが、中にはシェア世界一という製品もあるそうですね。

大田 これは弊社が優秀なパートナーに恵まれている、ということでもあります。我々の材料や添加剤を使ったスマホや車、衣料などの製品が世界中に輸出されていったからこそ、我々の製品も世界一になれた。やはり、どんなパートナーとつきあうかは非常に重要です。

佐藤 パートナー企業といい関係を築くために、心がけておられることはありますか。

大田 日本的な発想かもしれませんが、やはり長期の信頼関係だと思います。こうした関係は「系列」などと言われて批判されがちですが……。

佐藤 日本的な協力会社との関係は、単なる甘えではないと思います。実際、松下電器も協力会社と緊密な関係を築くとともに、ときには厳しい要求も厭いませんでした。ただ、あくまでそれは「一緒に問題解決をしていきましょう」という、共存共栄を目指すスタンスです。
それにしても、海外のビジネススクールを出られたのに、むしろ日本型経営を重視して成功されているというのは、とてもユニークですね。

大田 私が言うのもなんですが(笑)、日本人は海外から来たものをそのまま受け入れすぎです。きちんと咀嚼してから受け入れたほうがいいと思います。
むしろ欧米の思想に触れたからこそ、東洋の思想に惹かれるのかもしれません。
中でも「易経」の教えは、経営に活かせると考えています。
たとえば、経営では物事のプラス面ばかりではなく、マイナス面も見て判断するスタンスが必要ですが、これはまさに易経の「陰陽」の考え方に通じるものです。

佐藤 最後にお聞きしたいのは「人」の問題です。人を大事にする経営をしていらっしゃるだけに、人材育成は重要な課題だと思います。

大田 そうですね。ただ、やはり簡単ではありません。特に世代間のギャップが大きく、団塊世代と団塊ジュニア、そして今の20代は、別の人種ではないかというくらい考え方が違います。
そんな社員にやる気を出してもらうため、さまざまな施策を取っています。社員食堂を充実させたり、社員一人一人に直筆のメッセージカードを渡したり……。ちなみに弊社には高級マッサージチェアが6台も置いてありますが、これもまた、コンディションを整えて最高の状態で仕事をしてほしいからです。

佐藤 まさに幸之助が言うところの「事業は人なり」ですね。
今日は御社がこれだけの利益を出し続けている、その本質をおうかがいできたように思います。
ありがとうございました。

大田 ありがとうございました。



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